日本映画の鉄道シーンを語る

日本映画における鉄道が登場する場面(特に昭和20~40年代の鉄道黄金期)を作品毎に解説するブログ

93. 風立ちぬ

 1954年5月 東京映画、大雅社 提携製作  東宝 配給 公開    監督 島耕二

堀辰雄 原作を製作時の時代背景で映画化したので、少々話は変わっています。伏見節子(久我美子)と坂井弘(石浜朗)は軽井沢でめぐり会います。
胸の病を抱える節子は迎えに来た、画家の父 伏見荘太郎(山村聡)と東京へ帰ることになり ここでこの映画の鉄道シーンが登場します。

先ず 信越本線 沓掛駅(現 中軽井沢駅)へ入線して来る D51 型蒸機牽引の列車が映りますが、ナンバー・客車共に不鮮明で優等列車かどうかも不明です。
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続いて車が沓掛駅と思われる駅舎前に到着し、鞄を持った伏見と節子が降りました。節子は父親が切符を買ってる間 坂井の姿を捜すかの様に、駅前を見回しています。

次に山の斜面で寝転ぶ坂井の姿があります。やがて遥か下の方を汽笛を鳴らしながら列車が通り過ぎて行きます。立ち上がった坂井は、じっと去り行く列車を見詰めています。
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その後 浅間山をバックに D51 501 蒸機らしきが牽引する列車が走り去るシーンがあります。当時 長野区所属で、長野工場式集煙装置装着前のスッキリとした姿で現れます。
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撮影当時 信越本線 沓掛からの上り上野方面は普通列車のみで、2本ある準急列車の高原と白樺は通過でした。夏場から11月10日までのシーズン中は優等列車も停車するようになり、更に翌年からは通年停車となりました。なお沓掛駅は 1956年4月に現在の中軽井沢に改称されています。

軽井沢~上野の所要時間は普通列車で4時間20分程 準急で3時間10分位掛かり、現在 70分程度で走る長野新幹線とは隔世の感があります。

都電 19 系統 東大赤門前停留所近くに立つ医学生 福山良一(池部良)のバックに到着する都電が映るシーンも僅かですがあります。6000形かなと思われ、緑と白のツートンカラー時代の姿です。
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