日本映画の鉄道シーンを語る

日本映画における鉄道が登場する場面(特に昭和20~40年代の鉄道黄金期)を作品毎に解説するブログ

90. 黒い海峡

1964年12月 日活 製作 公開   カラー作品    監督 江崎実生

ヤクザ組織の幹部 槇明夫(石原裕次郎)は組の為 懸命に働くが、親分の裏切りに遭い ヤクザ社会の嫌なカラクリを思い知らされる映画です。

組織を裏切った兄弟分の大貫哲次(中谷一郎)を追って神戸へ向かった槇は、大貫の女 香山知佐子(吉行和子)をつけて哲次を見付けようとします。
鉄道シーンとしては、先ず開通したばかりの0系新幹線の走行シーンが映り 関西行をアピール。
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続いて神戸市電をバックに、靴磨きを受けながら知佐子を見張る槇の姿が。

阪急神戸駅(現 神戸三宮駅)では知佐子を追い掛け、上りエスカレーターの左側を駆け上がります。関西ではこんな前から右側一列で乗り、左側は駆け上がる人用だったのでしょうか。
ホームへ上がると、知佐子が乗った阪急電車 2000系の2019に発車ギリギリで飛び乗りました。
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そして 1995年の阪神大震災で損壊してしまう駅ビル(神戸阪急ビル東館)から梅田方面へと出発して行く姿が映ります。
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次に知佐子は走行中の車内を前方へと移動し 大貫を見付けると、「槇さんが神戸に来ている」と告げました。つけられてることは分っている割には悠長な言葉の様ですが・・・
そして槇は遂に大貫を見付け 迫りますが、800系電車805を先頭で六甲駅に到着。大貫は一人でホームへ飛び降り、槇も後を追い掛けます。大貫は出口へ向かうと見せかけ向かいのホームを走り、発車寸前の元の電車に飛び乗ります。

追い駆けていた槇も再び元の電車に乗ろうとしますが、寸前でドアが閉まりホームに取り残されてしまいます。加速してゆく車内では大貫と知佐子がチャッカリ寄り添い、槇の前を通り過ぎて行きます。
六甲駅を去り行く電車のカットで、この列車最後部が 1950年製造 800系の 855であることが分かります。
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800系の中でも非貫通型で、この後本線から支線へと活躍の場を移し、1979年まで走りました。
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コメント


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阪急六甲駅

テツエイダさんお久しぶりです

この頃の阪急六甲駅ってこんなに長閑だったのですね。

現在の六甲駅は島式ホームではなく、内側が通過線になっています。

アパッチ | URL | 2013-09-20(Fri)21:49 [編集]


Re: 阪急六甲駅

>アパッチさん コメントありがとうございます。
小生自身は阪急六甲駅で降りたことがないので分かりませんが、今では様子が変わっているのですね。
それにしても狭いホームで、屋根が架った部分で槇と大貫が追い駆けをしていました。

同じカテゴリの( 50.若い瞳)を見て頂ければ、昔の六甲駅の様子がより詳しく長く映っています。

テツエイダ | URL | 2013-09-21(Sat)11:55 [編集]


黒い海峡

裕次郎作品としては余り有名でないので、題名を見ただけでは松本清張の黒シリーズかと一瞬思った。
当時の阪急電車は特急、急行などが光沢のあるツヤツヤしたすみれ色で、普通は同じすみれ色でもくすんだような色だったように記憶している。すみれ色は宝塚のシンボルです。

六甲駅は「若い瞳」で書いておられるように「構内踏切付の島式2面4線構造」の上に、特急通過などの待機線にもなっており、フォームの移動が大変危険でした。よくも阪急のような大手の電鉄会社が、由緒ある六甲駅をそのまま長年ほっておいたものだと思う。

そうです、関西では右側一列で乗り、左側は駆け上がる人用となっています。東京ではこれが左右逆になりますね。

赤松幸吉 | URL | 2013-09-21(Sat)14:55 [編集]


Re: 黒い海峡

>赤松様コメントありがとうございます。裕次郎作品に思い入れがお有りの様ですね。
 昔の六甲駅をご存じの方からのコメントは嬉しいです。あの様な狭いホームの駅を毎日特急通過していたとは、現在の感覚では驚きです。名鉄の西枇杷島駅といい勝負ですかね。
阪急神戸駅のエスカレーターシーンでは、今から50年近く前なのに現在の様に片側を駆け上がる人用に空けておく習慣が既に定着していたことに驚いています。
 東京では、2000年代になってから定着した習慣の様に記憶しておりますので驚きです。

テツエイダ | URL | 2013-09-22(Sun)23:37 [編集]


黒い海峡

最後のカット写真に少し疑問が湧きました。裕次郎が見送っている電車は梅田に向かっているのでしょうか、それとも三宮に向かっているのでしょうか。
この映画の細部はほとんど忘れましたが、テツエイダ様の記述では「梅田行きの電車から六甲駅で飛び降り、再び元の電車に乗った」とあります。しかし、この電車は明らかに三宮に向かって走っています(と私は思います)。映画のことですから、つじつまが合わなくてもカットがよければそれで良いでしょうが、やはり納得がいきません。
この件を時間があるときにでも検証していただけないでしょうか。

赤松幸吉 | URL | 2013-09-27(Fri)19:35 [編集]


Re: 黒い海峡

 赤松様の疑問にお答え致します。 最後のカット写真は去り行く電車を裕次郎が見送っていますが、横の駅名板には六甲の右に西灘(現 王子公園)左に御影とあります。
 電車の進行方向が左手ですから、次は御影 つまり梅田方面行電車です。( 50.若い瞳)を見てみると、神戸に向かうはずの二人が同じ梅田方面ホームに立っています。赤松様ご指摘の様につじつまの合わないカットはしばしばあり、( 49.結婚の条件)でも東京駅を知る者にはナンデヤと思うシーンがあります。

テツエイダ | URL | 2013-09-28(Sat)09:36 [編集]


黒い海峡

最後のカット写真の電車はやはり梅田行きでした。私が誤解した理由は、「王子公園」がかっては「西灘」と呼ばれていたことをすっかり忘れていたことにあります。駅表示板は私も気がついていましたが、超斜めアングルなので駅名が読めず、上り・下り駅は2文字だという事だけが判読できました。「王子公園」なら4文字のはずなので、これは映画特有の小道具で上から架空の駅名を貼っていると思ったからです。
それに左側に改札口があるのですが、その光景がこのカットでは疾走する電車の後ろで全く確認できないことも、同じく左側に続く土手(今思えば、確かに土手(樹の植え込み)が途中で切れて改札口、駅長室になっていた)から見ても、これは三宮行きと思ったわけです。
右側の踏切は六甲八幡神社に続くもので、これは実際に駅よりも梅田側にあったので、おかしいと思っていましたが。
とにかく、これで胸のつかえが取れました。有り難うございました。

赤松幸吉 | URL | 2013-09-30(Mon)19:16 [編集]


Re: 黒い海峡

赤松様  ご丁寧な返信 ありがとうございます。
 皆様も僅かな疑問点なり 感じましたら、どしどしコメントやメール欄にてご指摘下さい 歓迎致します。

 いろいろな映画で架空駅名に替えて撮影したり( 48.網走番外地 )のように最果ての駅のイメージに合わないので実在の駅をあえて替えて撮影するなど、いったい何処でロケしたのかを考えるのも小生の楽しみでもあります。
 しかし小生の文章のあちこちに( と思われる)という表現を使っていますが、「その仮説よりもこう考えた方が納得いく」といったご意見を恐れ 心配しながら書いている文も多いのです。

テツエイダ | URL | 2013-09-30(Mon)22:28 [編集]