
ヤクザ組織の幹部 槇明夫(石原裕次郎)は組の為 懸命に働くが、親分の裏切りに遭い ヤクザ社会の嫌なカラクリを思い知らされる映画です。
組織を裏切った兄弟分の大貫哲次(中谷一郎)を追って神戸へ向かった槇は、大貫の女 香山知佐子(吉行和子)をつけて哲次を見付けようとします。
鉄道シーンとしては、先ず開通したばかりの0系新幹線の走行シーンが映り 関西行をアピール。

続いて神戸市電をバックに、靴磨きを受けながら知佐子を見張る槇の姿が。
阪急神戸駅(現 神戸三宮駅)では知佐子を追い掛け、上りエスカレーターの左側を駆け上がります。関西ではこんな前から右側一列で乗り、左側は駆け上がる人用だったのでしょうか。
ホームへ上がると、知佐子が乗った阪急電車 2000系の2019に発車ギリギリで飛び乗りました。

そして 1995年の阪神大震災で損壊してしまう駅ビル(神戸阪急ビル東館)から梅田方面へと出発して行く姿が映ります。

次に知佐子は走行中の車内を前方へと移動し 大貫を見付けると、「槇さんが神戸に来ている」と告げました。つけられてることは分っている割には悠長な言葉の様ですが・・・
そして槇は遂に大貫を見付け 迫りますが、800系電車805を先頭で六甲駅に到着。大貫は一人でホームへ飛び降り、槇も後を追い掛けます。大貫は出口へ向かうと見せかけ向かいのホームを走り、発車寸前の元の電車に飛び乗ります。
追い駆けていた槇も再び元の電車に乗ろうとしますが、寸前でドアが閉まりホームに取り残されてしまいます。加速してゆく車内では大貫と知佐子がチャッカリ寄り添い、槇の前を通り過ぎて行きます。
六甲駅を去り行く電車のカットで、この列車最後部が 1950年製造 800系の 855であることが分かります。

800系の中でも非貫通型で、この後本線から支線へと活躍の場を移し、1979年まで走りました。
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