日本映画の鉄道シーンを語る

日本映画における鉄道が登場する場面(特に昭和20~40年代の鉄道黄金期)を作品毎に解説するブログ

 89. ホープさん サラリーマン虎の巻

1951年10月 東宝 製作 公開    監督 山本嘉次郎

風間京太(小林桂樹)のサラリーマンとしてスタートをきってからの奮闘する姿を描いた喜劇映画です。

大学野球部出身として昭和鉱業へ入社するこができた風間は、会社対抗試合で活躍したことから注目され 秋庭社長のお供で新潟へ出張することになりました。
ところが風間が弁当を忘れたことから、何も食べることが出来ない社長を苛立たせてしまいます。更に急行列車二等車内で公職追放となった吉川前社長(小川虎之助)に会い、社長は驚き恐縮してしまいます。
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吉川は優雅に釣りをしに来ていて、途中の水上で降ります。社長と共に見送りに風間もホームに降りて挨拶します。左手には乗ってきたスロハ31 二三等合造車が映っています。
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最後にお辞儀している時、後ろから「弁当~ え~弁当」と駅弁売りの声が聞こえてきました。社長はお辞儀をしながら後ろの風間に手で合図を送り、やや遅れて気付いた風間は買いに向かいます。

駅弁を買いに来た風間に駅弁売りは「外食券は?」と聞き
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風間がポケットを探っていると後方へ歩いて行ってしまいます。焦って体中のポケットを探っていると、遂に折り畳んだ外食券が見つかります。
この時後ろの三等車が映り、オハ 60形と読めます。風間は全速で追い掛け、ホームの端で休憩している駅弁屋に追いつきます。お金を渡すと、「細かいの無いの」に対し「つりはいらない」と風間。
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「つりを出さないと駅長さんに営業停止になってしまう」とゆっくりと一枚づつつり銭のお札を渡します。この時 電気機関車の汽笛が鳴り、列車はゆっくりと動き出しました。
その姿を見た風間は駅弁屋から弁当を一つ取ると、「待ってくれー」と叫びながら追い掛けます。そしてもう少しで追い付くというところで、駅員に止められてしまいました。

加速する列車の二等車部分のデッキには秋庭社長が立って、ホームの風間の方を見ています。先頭の電機に続いて荷物車、その次に秋庭の乗る二三等合造車が連結されています。
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ホームでは今だ両脇を駅員に抑えられた風間が弁当の包みを振りながら、悲しい声で「社長~」と叫んで喜劇らしさを盛り上げています。

さてこの列車は、当時日中唯一走っていた下り急行 701ㇾ新潟行と思われます。上野 10:20発 東北本線・高崎線・上越線・信越本線と走り、終着新潟には 17:10の到着でした。
この急行列車にはまだ名前がついていない時代で、後に急行 越路となりました。なお水上駅は昼食時間帯の 13:32発で、牽引機は判別不能ですがEF 13 電機あたりでしょうか。
また スロハ 31 二三等合造車は 1930年~1932年に23両製造され、定員は二等36人 三等40人でその境目である車両の中程にトイレがある変わった構造でした。
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コメント


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Re: 教えて下さい

 野津様 「ホープさん サラリーマン虎の巻」では駅弁を買うのに外食券が必要な時代でした。
この映画ではその辺をコメディタッチで描いていますね。

さて小生はこの映画をCS放送で五年前に見たのです。CS放送の場合、リクエストして通るケースもあります。
また毎年鉄道記念日前の9月に東京で鉄道場面がある映画を集中上映会することがあります。
故にこの映画をすぐに必ず見ることは難しいと思われますし、小生には分かりません。

国立国会図書館の映像資料室にあるか?野津様が成人なら身分証明できるもの持参で入れます。
図書雑誌部門は小生もよく利用しますが、駅弁についてもデジタル検索すれば40年前の雑誌の記事でも探せると思います。駅弁限定の図書もかなり有るので、著者か題名のメモを持参すれば見つけやすいですよ。

テツエイダ | URL | 2014-11-07(Fri)17:46 [編集]