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日本映画の鉄道シーンを語る

日本映画における鉄道が登場する場面(特に昭和20~40年代の鉄道黄金期)を作品毎に解説するブログ

 77.刑事物語2 りんごの詩

 キネマ旬報社・東宝 製作  1983年7月 東宝 配給公開

冴えない中年刑事 片山元(武田鉄矢)の人情味あふれる活躍を、弘前を舞台に描くシリーズ第2作です。

冒頭 雪中ランニングする片山の横を、弘前鉄道のモハ11形と思われる電車が通過して行きます。
元西武鉄道 クモハ311形で 1971年に譲渡され、津軽の鉄路で 1999年まで活躍しました。
77.刑事物語2 りんごの詩


次に札幌での現金輸送車襲撃事件の捜査員をりんご試験場へ案内した片山が、国鉄 黒石駅で見送る場面があります。
改札を入った札幌署の堂垣内秀臣(松村逹雄)ら二人に捜査協力を約束した片山の横には黒石線のキハ22形DCが停車しています。
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続いて二人を見送った片山が国鉄黒石駅舎から出て来ます。それを北海道タイムスの記者 玉垣三郎(岸部シロー)が追って来ます。
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黒石線はこの映画公開の翌1984年11月 弘南鉄道へ転換され、この黒石駅舎は弘南鉄道黒石駅に統合により廃止されました。
しかし弘南鉄道黒石線として残ったこの線も赤字が嵩み、1998年3月ついには廃線となってしまいました。

ラスト近く 襲撃事件の犯人の一人 室伏澄江(酒井和歌子)に自首を促した片山が、澄江の息子を札幌駅から施設へ送る場面があります。
自分が逮捕されることで暫く息子と会えない澄江は札幌駅のホームで言葉を交わし、77-5.jpg
発車ベルで片山とたけしはデッキへ乗ります。

そしてドアが閉まり列車が動き出すと、澄江は泣きながら並走。やがて加速した特急おおぞら号は澄江が残る札幌駅から消えて行きました。
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この おおぞら号はキハ183系気動車特急で、長年函館~釧路を結ぶ特急列車でしたが公開前の1981年10月より一本以外札幌発着でした。

今では全列車 札幌発着があたりまえの おおぞら号ですが、二人が乗ったこの列車は2D おおぞら2号だと思われます。
釧路 7:20発で札幌 12:25発、終点函館には 16:40の到着でした。この上り2号、函館からの下り3号が唯一の函館~釧路を直結する列車でした。

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