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日本映画の鉄道シーンを語る

日本映画における鉄道が登場する場面(特に昭和20~40年代の鉄道黄金期)を作品毎に解説するブログ

72. 南郷次郎探偵帳 影なき殺人者

1961年4月 新東宝 製作 公開     監督 石川義寛

弁護士ながら私立探偵もどきの捜査で、麻薬事件の黒幕に迫る南郷次郎( 天知茂 )の活躍を描くアクション映画です。

麻薬界の大物 神崎( 晴海勇三 )が殺され、弁護担当の南郷は情婦の東野文江( 吉田昌代 )からの急を告げる電話で駆け付けるも既に殺されていた。
文江が遺した鍵から麻薬の入った鞄と小田急ロマンスカーの切符を手に入れた南郷は、事件の黒幕に迫るべく鞄を持ってその列車に乗ることにします。

ここから鉄道シーンが有り、まず多摩川の鉄橋を渡る 3000形SE ロマンスカーが映ります。続いて車内のシーン 南郷は鞄を網棚へ上げ、座っていると怪しい男が鞄を見ていたが関係無かった。
日東紅茶走る喫茶室の喫茶ガールが白い三角巾を被って飲み物を届ける姿も映っています。72-1.jpg
前から2列目に座るサングラスの女は南郷の方をチラチラ見てこれも怪しい感じです。

その後見知らぬ若い男が隣に座り、南郷が置いた鞄の横に似たような鞄を置いた。文江に鞄を託された様に装った南郷は、事情を承知している風に調子を合わせた。
次に高速でカーブを走り抜ける 3000形SE 8連の場面があります。72-2.jpg
場所は渋沢~新松田でしょうか。

そして終点箱根湯本駅に 3000形SE が到着します。列車名は湯坂とあります。72-8.jpg
この列車は新宿 14:21 発2503ㇾ週末準特急 湯坂で料金は特急が 150円なのに対して 100円です。
所要時間は特急80分に対して98分と急行同等で、停車駅は小田原のみと良く分からない列車です。この当時は特急ごとに名前が付けられていたので、箱根湯本到着時刻は 15:59です。

次の場面では、車内で南郷が持ち込んだ鞄と取り換えた若い男と箱根湯本駅の改札を出る南郷ら二人を先に降りたサングラスの女が見張っている姿があります。72-6.jpg

3000形SE は改装前の初期の姿で映っていて、車内でのカットや喫茶ガールも登場するなど当時のロマンスカーの様子が良く分かる貴重なシーンであると思われます。
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コメント


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お詳しいですね!

「南郷次郎探偵帳 影なき殺人者」は当ブログでも書きましたが、小田急について大変お詳しいですね。

テツエイダさんのブログはアメブロから閲覧出来る様に設定しました。
そしてコメントもしていこうと思いますので宜しくお願いします。

アパッチ | URL | 2013-05-23(Thu)22:50 [編集]


モスラの幼虫

アパッチさんコメントありがとうございます。
3000SEは見るだけで、実際乗ったのは改造されモスラの幼虫型になってからの(えのしま号)でした。
 次々回ではカラーのSE、NSEが登場する映画を取り上げたいと思います。ツッコミも入れてください

テツエイダ | URL | 2013-05-29(Wed)11:24 [編集]