日本映画の鉄道シーンを語る

日本映画における鉄道が登場する場面(特に昭和20~40年代の鉄道黄金期)を作品毎に解説するブログ

55. 堂堂たる人生

 1961年10月 日活 配給 公開    カラー作品    監督 牛原陽一

 老田玩具の社員 中部周平(石原裕次郎)が傾いた会社を立ち直すべく仲間と奮闘する源氏鶏太原作のサラリーマンもの映画です。

 タイトル部分で裕次郎が座っている周りを模型の貨物列車が走り回っています。期待させますが、鉄道シーンは少ないです。

 中部と同僚の紺屋小助(長門裕之)は会社の金策に興和玩具本社の大阪へ出張に行くことになります。
 夜の東京駅 ホームの時計は 21:10です。 15番線に 151系電車が停車し、階段を上ってくる人が続いています。でも車内には3人程しかいません。
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 続いて電車にグッと寄ったシーンに切り替わり、進行方向席に紺屋 回転させた向い合せ側の席に中部が座り窓から肘を突出しホームを見ています。
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 車内は半分程の乗車率です。ホームでは移動販売の車が週刊誌なんぞを売っています。向かいのホームには急行列車らしき列車が発車待ちの様子です。

そこへ老田玩具への入社希望がままならない寿司屋の娘 石岡いさみ(芦川いづみ)が乗って来て、両親に「会社に採用され大阪出張を命ぜられた」と言ってきたので口裏を合わせてほしいと告げます。
 程なく いさみの母 石岡達子(清川虹子)がホームを歩いてきて「父親が心配しているので見に来た。」と言いますが安心した様子で窓越しに挨拶します。
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 そして 151系特別急行つばめ の夜間走行シーンが映ります。
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 次に場面は食堂車。中部と紺屋はツマミ一皿にビール。いさみはバリバリ食事し、「私乗り物に乗ると食欲が出るの」などと言います。
後から入ってきた二人の男が中部達の横を通り過ぎる時、後ろ側の男が中部に気付き話しかけます。彼は中部と大学のラグビー部時代の友人だったのです。
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 PS 
 東京駅 21:10 の 151系とは 14:30 大阪発の特別急行 第2こだま号が 21:00 に到着した後の姿かなと思います。
 その後の中部が窓を開け肘を出しているシーンからはセット撮影でしょうね。いさみの母親との窓越しの会話&見送りのシーンを撮りたいので 151系の窓が開くようなセットを作ったのでしょう。
 いささか強引な作りですが、対面の列車や売店まで作り込んであるのは全盛期の日活映画の実力が見て取れます。

 当時東京から大阪への出張には夜行急行列車が多く使われ、中部たちも 21:00過ぎの出発なのですから普通なら 21:15発の瀬戸・21:30の筑紫・21:45の明星・・・と急行列車だけで6本ほどあります。
 思うに当時の看板列車特急こだま・つばめ の 151系電車を使いたかったのでしょうが、午後9時過ぎに出発してから食堂車営業とは・・・
 

 
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