日本映画の鉄道シーンを語る

日本映画における鉄道が登場する場面(特に昭和20~40年代の鉄道黄金期)を作品毎に解説するブログ

 53. 昭和のいのち

 1968年6月 日活 配給 公開   カラー作品    監督 舛田利雄

 時は昭和初期 暗い世相のなかで憂国の士、日下真介(石原裕次郎)をめぐる任侠アクション映画です。

 広い操車場を横断する橋の上に極右集団 七誠会のメンバー四谷隆(中村賀津雄)が佇んでぼんやりと下の線路を見ています。
 やがて汽笛が聞こえてきて轟音を響かせ D51 蒸機牽引の貨物列車が猛烈な黒煙を四谷に吹き上げ通過して行きますが、四谷はピクリともしません。

 そしてシガレットケースからタバコを取り出し銜えケースの蓋を閉めたとき、蓋に近付く人影が映ります。刹那 タバコを捨て四谷は走り出します。
 追いかけているのは特高刑事の郷田竜作(南原宏治)です。D51 が走り去った線路には架線が張られていますが、それ以外の広い操車場は非電化です。
 ロケ地は新小岩操車場のようで、広い構内を横断する長い橋は小松橋かと思われます。

 続いて客車区での追跡のシーンがあり、C57 125 蒸機が映り 汽笛一声 旅客列車が走り出します。53-1.jpg
ホームへ上がった四谷は全速で汽車を追い掛けます。
 ホームを走る四谷に気付いた列車内の日下が見るうち後ろから2両目のデッキへ四谷は飛び乗ります。刑事の郷田もギリギリ追い付き、最後部のデッキへ飛び乗りました。

 四谷が前部へ逃げれば、郷田は追い掛け車内の通路を前へ前への緊迫感ある追跡劇です。当時の乗客に扮装したエキストラや役者で満員の車内での迫力あるアクションシーンです。
 そして遂に最前部の機関車前 何故かテンダーのプレートはC5092 になっています。追い詰めニヤリとする郷田。しかしその時横合いから日下が現れ、郷田と格闘になります。
 お互い走行中のデッキから相手を突き落そうと格闘し、合間にC57の高速走行シーンが入る展開でこのアクションシーンは続きます。
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 撮影時C57 125 機は新小岩機関区に所属し、超早朝 3:58 勝浦を発車 房総東線(現在の外房線)周りで 7:00 両国着と館山発 5:35 房総西線(現・内房線)周りで 9:10 両国着
 日中 新小岩区で待機し、夕刻 17:19 両国発125ㇾ館山行と 17:39 両国発221ㇾ勝浦行などのスジで働いていました。

 なので朝両国到着後の間合いに撮影用臨時列車を牽引して四谷の飛び乗りシーンなどを撮り、デッキでの格闘シーンはセット撮影だったので 1962年廃車のC50 92 のプレートが登場したのかと思われます。
 なお C57 125 機は両国駅からの蒸機牽引列車の最後まで走り、この映画公開の翌年 1969年9月 廃車となりました。
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コメント


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Cedarです。

拙ブログへのご訪問とコメントありがとうございました。
いやはや、よく調べていらっしゃるのに感心いたしました。
私のは至って感覚的かつ思い込むで書いております。次回の記事も正月休みに観たDVDネタです。

Cedar | URL | 2013-01-05(Sat)20:07 [編集]