日本映画の鉄道シーンを語る

日本映画における鉄道が登場する場面(特に昭和20~40年代の鉄道黄金期)を作品毎に解説するブログ

 47. 大幹部 無頼

 1968年4月 日活 配給 公開   カラー作品     監督 小沢啓一

 (10.「無頼」より大幹部 )の続編でヤクザ社会にイヤ気がさした藤川五郎(渡哲也)が、図らずも元の世界に戻ってしまう任侠アクション映画です。


 冒頭 暗フィルターを掛けた夜汽車らしきが登場、18688らしきが牽引しています。車内(セット)で藤川は寝ている幼い兄妹を見て、自身の幼少期を思い出す。次に 58669機関車が牽引する列車が雪降る津軽板崎(架空駅)47-1.jpg
に到着し、藤川が降りてくる。
 青森県弘前の辺りという話だが、藤川が降りてきた津軽板崎駅は何処なのか駅舎の看板も替えられています。弘前近郊ということで、五能線の実在する板柳と隣の林崎駅を足して二つ割した様な駅名ですね。

 駅前で旅芸人の一座が地廻りのヤクザに絡まれているところを藤川が助け、一座の一人鈴村菊絵(芦川いづみ)は感激し自分のスカーフを渡します。菊絵達は無事汽車に乗れ、デッキから外を見ていると雪原を歩く藤川がいました。
 菊絵は必死で手を振りますが、藤川は気づきません。菊絵の乗るハチロク牽引の列車は煙と汽笛を残し、美しい青味がかった雪原の彼方に消えていくのでした。
47-2.jpg

 藤川は恩義ある杉山の妻 夢子(松尾嘉代)の病が悪化、金を工面する為仕方なく横浜の木内組に加わることに決めます。美しく力強いハチロクのスポーク動輪が映り、藤川が乗る列車は雪解けが始まった中を突き進んで行きます。47-3.jpg

 続くカットは遠景から横浜市電が映った後 先代のレンガ造りの重厚な横浜駅東口駅舎が映ります。この駅舎は 1928年完成の3代目駅舎で、撮影の十年後まで残っていました。






 PS. 
 舞台は弘前近郊という話なので、五能線沿線を設定したのでしょう。でも弘前は遠いんです。五能線といえばハチロクこと 8620形蒸機。どこかもう少し近場で雪国の雰囲気があって、ハチロクが走るローカル線は?と考えたのかな。
 最初に登場の 18688 と後の 58669 は共に当時は長野区に所属し、飯山線の飯山 7:00 発の 222ㇾを牽いて長野まで通勤通学客を運んでいました。 58669 はその後 1970年6月25日付で廃車となりました。
 飯山線は( 16. 北国の街 )の様にC56 が有名ですが、この頃は 222ㇾが飯山線唯一の旅客列車で たまにC56が牽く以外通常はハチロクが使われていました。
 それと日活がそれまでの映画の撮影で飯山線沿線に土地勘があったのでロケに使ったのかな。
 また藤川五郎が降りてきた架空駅の津軽板崎駅ですが、飯山駅の様に思われます。ホームでのシーンは駅名板を差し替えて撮影。
また駅舎の屋根にある津軽板崎の看板がヤケに大きく、飯山の文字を覆い隠す形かな?とも見えます。

 
 
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