
性格は違うが 仲の良い3人の男が、意中の女性との結婚を目指す コメディ調の青春映画です。
沖倉淡三(三橋達也)の家に 婿入先候補の 藤原仙子(高友子)が突然来訪し、沖倉の上着に入れていた 候補№6 宮田千晴(藤野高子)の 写真を見られて騒ぎ出します。
そこへ到着した中ノ目覚(高橋貞二)が 昨夜飲み屋で 上着を間違えたのだと誤魔化し、その後 到着した千晴を 強引に中ノ目が連れ出して 沖倉の窮地を救ったのでした。
すっかり憤慨して速足で歩く千晴を 追い駆けた中ノ目は、橋の上で追い付き 宥めている背後を ポール集電仕様の 都電初期型6000形らしきが走っています。

喫茶店で話す内に すっかり意気投合した二人は、ひとまず別れて帰宅するべく 千晴は地下鉄乗り場に向かって行きました。
地下鉄銀座線の高架区間を 3輌編成の電車が走るシーンに続いて、

東京急行電鉄 東横線への改札口を入った所で 二人は再会して驚きます。
続いて 東横線の高架区間を走る 東京急行電鉄3000系が映り、

共に代官山駅で降りた二人は 手を振り別れます。

ところが 角を2回曲がると、バッタリ再会です。実はお互いの家は、近所だったのでした。
千晴の叔母さんの家で飼っている 犬の具合を獣医大学生の 中ノ目が診ていると、千春の父親が 養子候補者に会いに 上京して来ると知らせがあったので 候補者代役として 会ってくれと頼まれます。
東海道本線 新橋駅上りホームに、EF58形電機牽引の 列車が到着します。

先頭客車から 千晴の父親 宮田甚助(日守新一)が降りて来て、

中ノ目が候補者として 千晴に紹介されました。

二人と父親は 一緒に音楽会へ 出掛けたのですが、親友 牧野虎太郎(川喜多雄二)と 中ノ目の妹 桂子(紙京子)が 会場で揉めたことから、偽候補者であることがバレて 中ノ目は面会禁止と言われてしまいます。
跨線橋の上で 中ノ目と千晴は もう会えないが好意はある などと話す内に、

下を72系らしき 国電が走り抜けて行きます。

その後 中ノ目の亡くなった父親の 親友だった及川潔(北龍二)から 飼い犬が飲み込んだ ダイヤの指輪を、中ノ目が無事 吐き出させた御礼に 貰ったお金で母親シゲ(東山千栄子)と 温泉旅行に出掛けます。
電機牽引列車の走行シーンが映り、

並二等車席に親子で 向かい合せに座っています。

やがて列車が横浜駅に到着すると、


中ノ目が窓から シューマイ売りを呼びますが 聞こえない様です。

そこで デッキから呼びますが 通じないので、

シゲが止めるのも聞かずに 中ノ目は走って買いに行ったのでした。

シゲはハラハラドキドキの 様子ですが、中ノ目は「乗り遅れるもんか お茶は次の駅で買うよ」などと 余裕顔でシューマイを勧めています。

一方及川が姪を連れて 中ノ目の行く湯河原温泉へ向かったと 牧野からの情報を聞いた沖倉は 千春の通う洋裁学校へ向かい、千晴と仲良くなった仙子の手前「湯河原で中ノ目と見合いさせようとしている 及川の計画打破の為 湯河原へ行こう」と誘います。
親子で湯河原温泉の旅館へ到着すると 及川が姪の秋子(東谷瑛子)を連れて現れ、暫くすると 沖倉が千晴を連れて合流し 更に千晴の父 宮田が駆け付け 騙された怒りで 娘を連れ帰ってしまいます。
皆も同じ列車で 帰ることとなり、宮田親子とは離れた席で皆 憂鬱な表情で 黙り込んでいます。

そして及川が 最後の説得に、宮田の席へ赴き 説得すのでした。


中ノ目親子が帰宅すると 桂子とケンカした牧野が、20:30の汽車で 実家へ帰ると出て行きました。桂子は20時近くなると出かけ、入れ替わりに 宮田が現れ謝罪するのでした。
新橋駅の改札口へ 桂子が到着すると、時計は既に20:37を指していて 諦め顔の桂子です。

ところが横を向くと、旅行ポスターを見ている牧野がいます。
「乗り遅れたんだ 次の汽車は一時間後なんだ」と呟く牧野に、誤解が解けた桂子は 素直な気持ちを伝え 三組共にハッピーエンドとなった模様です。
PS.
1枚目の画像は 橋の欄干に見覚えがあり、中央本線飯田橋駅前を走る 都電15系統かもしれません。
2枚目の画像は 帝都高速度交通営団 銀座線(本作公開一週間前に銀座線と決定)神宮前駅(現 表参道)から 終点渋谷駅へ向かう、1000形らしき3連電車で(4連化開始される2年前)今は無き 東横百貨店が映っています。
3枚目の画像は 東京急行電鉄東横線 渋谷から代官山へ向かう 3000系らしき電車ですが、1945年まで使っていた 並木橋駅ホーム跡が 撮影場所と思われます。
4枚目の画像は 激変した代官山駅ですが、当ブログでは(62.踏みはずした春)でも 同じ方向から当駅が撮影されています。
5~7枚目の画像では 宮田の上京場面を、珍しく新橋駅東海道本線ホームで 撮影しています。当時の上り列車は 2本の特急と特殊列車以外 全ての急行・普通列車が新橋駅に停車していたので、昼頃到着の 326レ(浜松始発)あたりの 先頭客車で撮影したのでしょう。
8~9 枚目の画像で ロケが行われた場所は、遠くに私鉄電車らしきが映っていて 田端とは思えず分かりません。
12~16枚目の画像で 横浜駅へ到着する列車は 7:36着7:38発の 325レ沼津行普通列車と思われ、シュウマイ売が 朝から販売していたのでしょうか。
最後の画像で 桂子は牧野が 20:30の汽車に乗ると聞いて 新橋駅へ来ましたが、既に20:37なので 一度は諦めました。しかし 20:30頃の東海道本線下り 新橋発列車は20:24富士行849レと 20:40熱海行851レで、該当する列車がありません。
上りが殆ど停車する新橋駅ですが、下りは 全ての急行列車が 通過だったのです。20:30の汽車と言えば、東京発神戸行 13レ急行銀河のことだったでしょう。牧野は「次の汽車は一時間後だ」と言いますが、故郷が神戸だとしても 21:00発の広島行21レ急行安芸で行けます。
こんなにも数多くの鉄道シーンが散りばめられている本作が、今まで全く小生のアンテナに引っ掛かりませんでした。
それ故に当ブログは、まだまだ続けるつもりです。
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