
1971年6月 東映 製作 公開 カラー作品 監督 降旗康男
炭鉱労働者の 竹田勇(高倉健)が 父親の遺言で 東京へ出て 真面目に働こうと 奮闘するも、工場拡張工事に 伴う 裏仕事を担当する 組織と衝突し 苦悩する 男の生き様を描いた 任侠風映画です。
冒頭 手押しトロッコによる 運炭作業を行う 小規模炭鉱が映り、

続いて竹田親子が入った坑内で 落盤事故が起こって 竹田勇は生還しましたが

父 竹田吉市(加藤嘉)は 遺言を残して亡くなってしまいました。
竹田は遺言で 炭鉱を退社し 東京へ向かうべく、地元の室木駅へと 母親(北林谷栄)共に急ぎます。

駅には8620形蒸機の、38634号機牽引列車が到着しました。


客車から 秋本ゆき(奈美悦子)と 幼い妹が降りてきました。

ホームに出迎えがいないので、ゆきは改札口の方へ 捜しに行きます。それと引き換えに 竹田と母親が乗降デッキの方へ到着しました。

母親は 一人ぼっちで泣いている女の子が気になり、「どげんしたとか」と声を掛けたところへ ゆきが戻って来ました。妹は「うちは叔父さんの所へ預けられるのはイヤだ」と言って、宥めるゆきを困らせます。

母親がゆきに「どげんしたと」と聞くと、「うちが東京へ働きに行くのに 叔父さんの所に預かってもらう話だが、未だ迎えが来てなくて」と事情を話します。
叔父さんの家が 鍛冶町の杉森金物店だと 聞いた母親は、「妹を連れて行ってあげるから あんたは心配せんと 乗りんしゃい」と乗車する様に促します。

竹田とゆきは 車内を移動して窓を開けると、別れの挨拶を交わし 妹は泣きながら「姉ちゃん」と連呼しています。

そして発車ベルが鳴り終わると、汽笛が鳴り響きドレンを切って 汽車は動き出しました。

妹は母親と一緒に追い駆け、「姉ちゃん」と呼びかける妹に 姉は「ひろちゃん元気で」と答えるのでした。
「行っといで~元気で~」と叫ぶ母親に 竹田は「母ちゃん~」と大きく手を振りながら答え、

列車は徐々に加速しながら 室木駅から去り行きます。

続いて8620形蒸機の 88622号機の走行シーンが映り、

車内では 竹田とゆきが向かい合って座っています。
ゆきは同行する同級生の話から 熊本の中学では有名な バレーボールの選手で、腕を見込まれ 東京の大手工場への就職が決まったそうです。
しかし何故か 同級生の席に座らず、更にお弁当の誘いも断って デッキの方へ行ってしまいました。

竹田は後を追い 扉が開いたままのデッキで 一人佇むゆきに、母親から渡された おにぎりを勧め

二人で微笑み・涙しながら かぶりつきました。

並行する電化路線には すれ違う方向へ、赤い電機に牽かれた コンテナ貨物列車が走っています。
続いて 東海道本線上り 新橋~東京の区間を走る、EF65形電機牽引の 特別急行列車あさかぜ号らしきが映ります。
竹田は身寄りもない東京で ヤクザ組織のお先棒を担いだり、テキ屋の仕事に就いて 真面目に奮闘しますが 良い方向へ進みません。
一方ゆきは 亡くなった母親と同じ 難病が発症し、バレーボールを続けることが 出来なくなって 旭紡績を退職し 寮を出てしまいます。
そして竹田に 別れの挨拶に行くも すれ違いとなり、一人寂しく 夕暮れの芋坂人道跨線橋に現れます。
ボンネットタイプの クハ481を先頭にした

特別急行列車やまばと号が現れ、

ゆきのいる跨線橋の下を 通過して行きます。

呆然と見ている ゆきの下を走り行く列車は、終点上野駅を目指す 仙台発の特別急行列車ひばり号です。

やがてしゃがみ込み 泣き出したゆきの横を、京成電鉄京成上野行電車が走っています。

PS.
ロケが行われたのは、室木線(遠賀川~室木 11.2㎞)の終点である 室木駅でした。作中では 途中駅である 室木に到着した列車から 秋本姉妹が降り、竹田親子と遭遇した脚本となっています。
遠賀川から室木へ 11:32に到着した列車に エキストラ客と秋本姉妹が乗り込み、機廻しして 先頭に連結した 38634号機を100m程度バックさせた後 定位置まで前進停車して 途中駅らしく映したと思われます。
そして 汽笛に続いて 涙の別離シーンを撮影したのは、機関車の次位に 運炭貨車セラがあることから 11:57発遠賀川行の 混合列車874レだったとも想像できます。
それにしても同級生3人がいるのに 別のボックス席に、竹田と向かい合わせで 座ったのは 不自然でしょうね。
デッキで竹田とゆきは おむすびを食べますが、並行している電化線を 逆方向へ走る 赤い電機は鹿児島本線の貨物列車でしょう。
このシーンの最初に川を渡りますが この橋は西川橋梁で、この後 徐々に並行する 鹿児島本線から離れながら 貨物列車とすれ違います。
つまり このデッキでのシーンは 室木からの上り列車ではなく、遠賀川駅から 次の古月駅へ向かっている下り列車で ロケが行われたのです。
何らかのミスがあって 仕方ないので、次の遠賀川 14:24発の873レで撮り直しとなった?
ロケ当時も 蒸気機関車だけで運行されていた室木線ですが、1974年1月20日をもって 蒸機は廃止され DL・DC化された後 1985年3月末をもって廃線となってしまいました。
有名な撮影スポットである 鶯谷~日暮里にある 芋坂人道跨線橋は、数々の映画で ロケが行われてきました。
ラストから3枚目の画像は、当時の特急の象徴である 食堂車が通過している場面です。
青春映画の如く 真面目に東京で働き 母親を呼び寄せる 希望を持っていた竹田ですが、仕事にも恵まれず 恩ある浅川源造(志村喬)が 唐沢組に惨殺されたことから 長ドス一丁で単身殴り込み 唐沢(渡辺文雄)を一刀両断にする ラストシーンは 結局健さん映画の いつものお定まりコースですか・・・
当時二十歳で身長168㎝の奈美悦子さんに、中学卒業で就職へ向かう役を やらせるのは いくらなんでも・・・
炭鉱労働者の 竹田勇(高倉健)が 父親の遺言で 東京へ出て 真面目に働こうと 奮闘するも、工場拡張工事に 伴う 裏仕事を担当する 組織と衝突し 苦悩する 男の生き様を描いた 任侠風映画です。
冒頭 手押しトロッコによる 運炭作業を行う 小規模炭鉱が映り、

続いて竹田親子が入った坑内で 落盤事故が起こって 竹田勇は生還しましたが

父 竹田吉市(加藤嘉)は 遺言を残して亡くなってしまいました。
竹田は遺言で 炭鉱を退社し 東京へ向かうべく、地元の室木駅へと 母親(北林谷栄)共に急ぎます。

駅には8620形蒸機の、38634号機牽引列車が到着しました。


客車から 秋本ゆき(奈美悦子)と 幼い妹が降りてきました。

ホームに出迎えがいないので、ゆきは改札口の方へ 捜しに行きます。それと引き換えに 竹田と母親が乗降デッキの方へ到着しました。

母親は 一人ぼっちで泣いている女の子が気になり、「どげんしたとか」と声を掛けたところへ ゆきが戻って来ました。妹は「うちは叔父さんの所へ預けられるのはイヤだ」と言って、宥めるゆきを困らせます。

母親がゆきに「どげんしたと」と聞くと、「うちが東京へ働きに行くのに 叔父さんの所に預かってもらう話だが、未だ迎えが来てなくて」と事情を話します。
叔父さんの家が 鍛冶町の杉森金物店だと 聞いた母親は、「妹を連れて行ってあげるから あんたは心配せんと 乗りんしゃい」と乗車する様に促します。

竹田とゆきは 車内を移動して窓を開けると、別れの挨拶を交わし 妹は泣きながら「姉ちゃん」と連呼しています。

そして発車ベルが鳴り終わると、汽笛が鳴り響きドレンを切って 汽車は動き出しました。

妹は母親と一緒に追い駆け、「姉ちゃん」と呼びかける妹に 姉は「ひろちゃん元気で」と答えるのでした。
「行っといで~元気で~」と叫ぶ母親に 竹田は「母ちゃん~」と大きく手を振りながら答え、

列車は徐々に加速しながら 室木駅から去り行きます。

続いて8620形蒸機の 88622号機の走行シーンが映り、

車内では 竹田とゆきが向かい合って座っています。
ゆきは同行する同級生の話から 熊本の中学では有名な バレーボールの選手で、腕を見込まれ 東京の大手工場への就職が決まったそうです。
しかし何故か 同級生の席に座らず、更にお弁当の誘いも断って デッキの方へ行ってしまいました。

竹田は後を追い 扉が開いたままのデッキで 一人佇むゆきに、母親から渡された おにぎりを勧め

二人で微笑み・涙しながら かぶりつきました。

並行する電化路線には すれ違う方向へ、赤い電機に牽かれた コンテナ貨物列車が走っています。
続いて 東海道本線上り 新橋~東京の区間を走る、EF65形電機牽引の 特別急行列車あさかぜ号らしきが映ります。
竹田は身寄りもない東京で ヤクザ組織のお先棒を担いだり、テキ屋の仕事に就いて 真面目に奮闘しますが 良い方向へ進みません。
一方ゆきは 亡くなった母親と同じ 難病が発症し、バレーボールを続けることが 出来なくなって 旭紡績を退職し 寮を出てしまいます。
そして竹田に 別れの挨拶に行くも すれ違いとなり、一人寂しく 夕暮れの芋坂人道跨線橋に現れます。
ボンネットタイプの クハ481を先頭にした

特別急行列車やまばと号が現れ、

ゆきのいる跨線橋の下を 通過して行きます。

呆然と見ている ゆきの下を走り行く列車は、終点上野駅を目指す 仙台発の特別急行列車ひばり号です。

やがてしゃがみ込み 泣き出したゆきの横を、京成電鉄京成上野行電車が走っています。

PS.
ロケが行われたのは、室木線(遠賀川~室木 11.2㎞)の終点である 室木駅でした。作中では 途中駅である 室木に到着した列車から 秋本姉妹が降り、竹田親子と遭遇した脚本となっています。
遠賀川から室木へ 11:32に到着した列車に エキストラ客と秋本姉妹が乗り込み、機廻しして 先頭に連結した 38634号機を100m程度バックさせた後 定位置まで前進停車して 途中駅らしく映したと思われます。
そして 汽笛に続いて 涙の別離シーンを撮影したのは、機関車の次位に 運炭貨車セラがあることから 11:57発遠賀川行の 混合列車874レだったとも想像できます。
それにしても同級生3人がいるのに 別のボックス席に、竹田と向かい合わせで 座ったのは 不自然でしょうね。
デッキで竹田とゆきは おむすびを食べますが、並行している電化線を 逆方向へ走る 赤い電機は鹿児島本線の貨物列車でしょう。
このシーンの最初に川を渡りますが この橋は西川橋梁で、この後 徐々に並行する 鹿児島本線から離れながら 貨物列車とすれ違います。
つまり このデッキでのシーンは 室木からの上り列車ではなく、遠賀川駅から 次の古月駅へ向かっている下り列車で ロケが行われたのです。
何らかのミスがあって 仕方ないので、次の遠賀川 14:24発の873レで撮り直しとなった?
ロケ当時も 蒸気機関車だけで運行されていた室木線ですが、1974年1月20日をもって 蒸機は廃止され DL・DC化された後 1985年3月末をもって廃線となってしまいました。
有名な撮影スポットである 鶯谷~日暮里にある 芋坂人道跨線橋は、数々の映画で ロケが行われてきました。
ラストから3枚目の画像は、当時の特急の象徴である 食堂車が通過している場面です。
青春映画の如く 真面目に東京で働き 母親を呼び寄せる 希望を持っていた竹田ですが、仕事にも恵まれず 恩ある浅川源造(志村喬)が 唐沢組に惨殺されたことから 長ドス一丁で単身殴り込み 唐沢(渡辺文雄)を一刀両断にする ラストシーンは 結局健さん映画の いつものお定まりコースですか・・・
当時二十歳で身長168㎝の奈美悦子さんに、中学卒業で就職へ向かう役を やらせるのは いくらなんでも・・・


