
父母と六人姉妹が暮らす 地方都市家庭の日常と、長女が希望する進学に反対する父親との 葛藤を描いた教育映画です。
葛西家では 父母と高校三年生の長女節子(大森暁子)を頭に 六人姉妹が暮らしていて、絶えない姉妹喧嘩の合間に 各々将来の希望が芽生えていました。
節子は父順二(稲葉義男)に 大学進学を願い出ますが、下の子のことも考えて 却下されてしまいます。しかし叔母の説得もあって、考え直した父に節子は激励されるのでした。
晴れて東京の 女子大に合格した節子が旅立つ日、先ず C50形らしき蒸機が映り、

車窓の節子の元には 5人の妹を始め、父順二・母安子(不忍郷子)・叔母(内田礼子)が駆け付けました。

三女紀子(本間千代子)が「夏休みには待っているわね」等 皆で見送りの言葉を交わす中、

汽笛が鳴り響き

列車が動き出すと

5人の妹達は 姉の動きに合わせて移動して行きます。


節子は窓から身を乗り出して 手を振り 別れを惜しみ 叫んでいる様です。


四女睦子(伊東正江)は 泣いている五女敦子(小畑町子)を優しく抱きかかえています。
そして五人の姉妹は 仲良く手を繋いで 父母の方へ歩いて行く道中、次女知子(島津千鶴子)は「今度から私がお姉さんだから言うことを聞くのよ」と宣言しています。

最後は 跨線橋からのカメラを引いて、栃木駅東方 構内全景を映しながら エンドマークとなります。

PS.
当ブログでは 異色の教育映画で、読売新聞つづり方コンクールで 文部大臣賞を受賞した葛西睦子の作品を原作として、東映教育映画部が製作した作品です。
鉄道シーンは ラストの節子が旅立つ別れの場面 しかありませんが、今では見ることの出来ない 今時分の別離シーン として取り上げました。
(111.異母兄弟)でも登場した駅ですし、5人で引き上げる場面で 駅名板が映るので、今回は直ぐ栃木駅と分かりました。
登場した蒸機は 小山区のC50形と思われ、乗降客の少ない昼時を狙ってのロケと思われ
高崎9:45始発の 425レを使ったとすると、栃木 12:04発で終着の小山は 12:17です。
節子がこの列車を使うと小山 12:26発の 534レに乗り換え、上野には 13:48着なので 下宿先へ向かうのにも適当でしょう。
10枚目の画像で、5人の姉妹が引き上げている時、背後には到着する東武鉄道の1700系2連の白帯特急が映っています。
両毛線では1951年に 桐生~高崎方面からDC化が進み、1963年には蒸機牽引列車は3本となり 1968年10月に全線電化となりました。
DC導入の1951年より 請願新駅が 11駅も誕生した両毛線ですが、電化時までに途中 28駅中11駅が休止となり後廃止(ロケ時も11駅全て停車するのは 13本中4本のみ)
両毛線は他線に比べて 同時期に異様な程新駅が作られた 稀有な路線ですが、政治陳情駅が多かったのか 停まる列車も少なく 国鉄のやる気の程が知れてて 当然利用客が少なく12~15年で休廃止でした。
本作製作の3年後に続編が製作されました。続編の方が鉄道シーンが多いので、夏休み時期に取り上げる予定です。
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