
東北へ向かった姉が何故か浜松で事故死し 死因に疑問を感じた妹の笠原祥子(叶順子)が、週刊誌記者の吉井正己(藤巻潤)協力の元 死の真相に迫るサスペンス映画です。
姉がバス事故死した時に同乗していた斎藤常子(山川愛子)に会いに山梨県の波高島の実家まで行った祥子は、姉の同行者を割り出す首実検の為 上京してもらい新宿駅で待ち合わせする約束を交わします。
ところが約束の日 祥子と吉井は白馬号に乗って来る常子を新宿駅で出迎えますが、

予定通り白馬号は到着したのに常子は現れません。

もしやと広い新宿駅の南口・西口・東口を二人で捜しまわり、更に構内放送をしてもらいますが会うことができません。




その後 殺された常子の遺体が南武線矢野口駅近くで発見され、警察で聞いてみると立川で途中下車した切符が見つかったそうです。
祥子が常子の実家から帰宅した時、吉井に常子が明後日 白馬号で来ると話しました。それをアパートの管理人が聞いて犯人に通報したので、先回りされ立川駅で降ろされて矢野口で殺されたと祥子達は推理しました。
立川駅ホームで祥子と吉井は、ベンチで列車を待ちながら相談します。

「犯人は我々の動きに感付いている様だ」と吉井が言い、祥子は自分と同じブローチをお守りに着ける様に渡します。

二人の背後には8620形らしき蒸機が停車しています。貨車の入換作業を担っている八王子区のカマでしょうか。

列車が来たのでデッキから車内へ入ると、祥子達が臭いと疑う画家の鶴巻莞造が座っています。

祥子が声を掛けると「珍しい所で会うもんだね」と、慌てた様子で応えています。

PS.
バス事故での目撃者 常子が上京した過程は、身延線 波高島駅を 12:10発 623レに乗り 13:16に甲府着 13:49発の新宿行 408レ準急白馬号に乗り換え 15:56立川で降ろされたと思われます。
本来は 16:30着の終点新宿まで乗り、祥子と会う約束でした。
ホームで白馬号のサボを架けたオハフ61形客車の前で祥子達は常子に会えなく慌てますが、準急白馬号は 1960年4月には既にDC化されていますのでこれは実在の姿ではないと思われます。
またオハフ61は背ずりが板張りでシートピッチも狭く、限りなく普通列車用の客車でした。PC列車時代でもさすがにこの車輛を、準急白馬号には使わなかったと思います。
立川駅と思われるホームにいる 8620形らしき蒸機は八王子機関区所属で、立川や国分寺などの中央線貨物取扱各駅で入換仕業を担っていたそうです。
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