
片桐組の仲間に嵌められ 警備員射殺の罪で 死刑判決を受けた岡本隆(小林旭)が、護送中に脱走し 新たな仲間と組んで復讐を目論む アクション映画です。
冒頭 列車で護送途中の岡本は、木暮刑事(多々良純)と手錠で繋がれ向かい合わせに座っています。

デッキのドアが開き、因縁の東田(郷鍈治)に似た男が入って来ます。

思わず岡本は立ち上がりますが、「人違いでした」と言って座ります。

続いて「トイレに行かせて下さい」と頼みデッキへ向かうところで、EF58形電機の走行シーンが入ります。

岡本がトイレに入り、手錠で繋がれた木暮刑事が外で待つ形です。中で岡本は裁判官から死刑判決を受けた時のことを思い出すと、勢いよく扉を開けて木暮刑事の首に鎖を巻き付けて手錠のカギを探します。

遅いのを不審に思ったもう一人の平野刑事(長弘)が駆けつけると施錠されたトイレから応答が無いので、急ぎ車内通路を走って反対側のデッキへ駆け込み非常弁を強く引きました。

列車が急停車するタイミングで岡本は、トイレのガラス窓を割り破って飛び降ります。

丁度そこは鉄橋上で、反対側から向って来る電機牽引列車が見えます。
急いで逃げようとすると今度は足が枕木とその下の部材の間に挟まり 焦る岡本に、EF80形らしき電機が

牽引する列車の危機が迫って轟音と共にEF13形らしき電機が通過して行きます。

ところが岡本は鉄橋の下側にぶら下がって回避したのでした。

その後ヒッチハイクで乗せてもらった皆川英次(和田浩治)に助けられて検問を抜け、殺されていた片桐元組長の所で出会った神山秀夫(宍戸錠)とダイヤを目当てに三人は組んで行動します。
ダイヤを奪った権藤(高品格)が横浜で営む東海産業へ皆川が入り込み、ライバルの日光海運へ岡本がもぐり込んで共倒れを目論みます。その出だしで、横浜臨港線に停車している貨物列車脇でのロケがあります。(遠く蒸機の汽笛は聞こえますが、姿は無し)
終盤 助っ人の東田が 153系らしき急行六甲号で、横浜駅へ到着します。

そして今は無き横浜駅東口駅舎をバックに登場して、恰好をつける場面もあります。

急行六甲号は 1961年10月に登場して特急こだま号などを補完する役割で活躍しましたが、東海道新幹線の開通もあって この映画公開の9月末をもって廃止されています。
PS.
岡本が護送されている列車は急行まつしま号だそうで(セット撮影でしょう)、「次の停車駅は宇都宮 日光行は 14:??発です」と車内アナウンス(アフレコ)があります。
当時のダイヤでは上り 36M急行第2まつしま号が 14:41宇都宮着で、接続の日光行は 14:45発の 821レです。脚本は、この列車を示唆しているのでしょうか。(PC客列車ではなく電車ですが)
102M 急行六甲号は 8:30大阪発で、15:34横浜到着でした。10分後に大阪を発車するPC客列車の 36レ急行高千穂号は横浜着 16:23と所要時間は 39分も多いのです。加速の良い電車ならではの違いですね。
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