
雑誌記者でシングルマザーの相沢美智(倍賞千恵子)が幼い兄妹を連れて実家へ帰った折、兄妹が廃屋で生き続ける謎の椅子と交流するファンタジック ミステリー映画です。
東京駅から東海道新幹線ひかり号に乗った 美智親子に、発車直前 美智の同僚カメラマン広岡研二(山口崇)が駅弁3個と雑誌を手渡します。駅弁は当時としては高額の、特別ランチ700円です(うなぎ弁当でも700円でした)。

そこには美智へ宛てた手紙も忍ばせてありました。
0系新幹線の走行場面が映った後

車内では、兄の直樹(上屋健一)と妹のゆう子(原口祐子)が入口の自動ドアで遊んでいます。

一方 美智は広岡からの手紙で、後から両親に挨拶に来ることを知ります。

続いてキハユニらしき合造車を先頭にした、気動車4連列車の走行シーンが映ります。

花浦駅(架空駅)ホームでは、美智の両親 須川利一郎(森繁久彌)と菊枝(高峰秀子)が出迎えに来ています。

やがて菊枝が列車に気付き須川と一緒に手を振ると、列車の2両目 キハ20形に乗る親子も窓から身を乗り出して帽子を振って応えます。

そして菊枝が日傘を振る花浦駅へ、列車は到着します。
廃屋で出会った不思議な椅子は、兄妹だけの前で動き 喋るのでした。
次に 広島へ墓参りに出掛ける一家は、DC列車に乗っています。

美智は原爆ドームの前で、広岡と待ち合わせていたのです。
車内では、直樹の機嫌が良くない様子です。続いて キハ58系らしき、急行形気動車3連の走行シーンが入ります。

須川が直樹に問いただすと、「じいちゃんは信用しないんだろうけど、椅子は動くんだ」と応えます。

PS.
東京駅の放送で美智親子が乗った列車は、ひかり 130 番台の列車であると発車案内が聞こえます。当時の時刻表では広島行の ひかり号で、時間帯から東京 11:24発ひかり 131号広島行と思われます。
しかし実家の場所は花浦駅が架空駅なので、広島県内の何処か分かりません。その後 広島へ行く時 気動車に乗るので、芸備線沿線を想定したのだろうと思われます。
ひかり 131号の広島到着が 17:04 芸備線へ乗り換えですが、17:06発 812D 急行たいしゃく2号 新見行は接続不可能なので 17:51発 840レ三次行となりますが DE10形内燃機がオハ35旧客を牽く列車なので当てはまりません。
当時の新幹線では博多行速達タイプでも広島まで 5時間8分かかっていたので、昼近くに東京を出たのでは本編の様な時間帯に着くのは不可能と思われます。
架空の花浦駅到着前の画像で親子が乗っているのはキハ20 342で、サボは(岡山⇔津山)と津山線の列車でロケが行われた様です。その後 3RT生 様からのコメントで、花浦駅は津山線の玉柏駅でロケが行われた様です。
祖父母と親子5人で広島へ向かう急行形気動車を想像すると、芸備線 向原 9:17発 811D急行たいしゃく1号に乗って 10:01広島へ到着した様に想定したのでは?(6枚目の画像で1つ先の駅がむこうはら{芸備線の実在駅はむかいはら})
映画の鉄道シーンで記憶に残るのは見送り場面ですが、今回は出迎え場面のある映画を5本特集してみました。本作は当ブログとしては新しい方ですが、孫を出迎える祖父母の姿が印象的なのでトリに選んでみました。
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