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日本映画の鉄道シーンを語る

日本映画における鉄道が登場する場面(特に昭和20~40年代の鉄道黄金期)を作品毎に解説するブログ

 24. 素足の娘

 1957年9月  日活 製作、配給  監督:阿部豊

 尾道の造船所社員食堂で働く桃代(南田洋子)を中心とした青春映画で、鉄道シーンは最初と最後に有ります。

 長らく父(大坂志郎)と別れて育った桃代が父の働く会社の食堂で働くことになり、尾道駅に降り立つ場面が最初の鉄道シーンです。
 先ず千光寺公園辺りからの撮影でしょう。大きく左カーブを曲がりながら尾道駅に向かう列車が遠景で映ります。ここからのシーンは小津監督の東京物語でもあります。
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 続いて C59 177 牽引の列車が到着し、
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桃代が降りてきます。1957年の撮影ですから山陽本線といえどまだまだ蒸機天国で、この時点では未だ西明石までしか電化されていません。
 乗り降りする人々で混雑する中 桃代はホームにいる駅弁売りに造船所への行き方を聞きます。
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 会社の中で最初は嫌った安治(長門裕之)こそが信頼のできる好きな相手だと気付いた桃代ですが、訳あって東京へ働きに出ることにします。
 ラストシーンでは尾道駅ホームで急行列車に乗った桃代を父や安治が見送ります。 12号車に乗っていますので15:13 発の さつま号か、16:23 発の 筑紫号と思われます。
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 糸崎区所属の C59が力強く発進して行き、最後はまたあのカーブを曲がり尾道から去り行くのでした。



  PS   ラストの上京場面 桃代の乗った急行列車は3番線に停車しています。でも跨線橋の案内板には跨線橋を渡った先に出口と岡山・大阪方面の乗り場のある1,2番線があると書いてあります。
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      とすると3,4番線は下り広島・下関方面でしょう? 現在は1番線が下りホームで2番線が上りホームですが、昔は逆でした。

      また発車までは急行列車に乗っていましたが、C59発進のカットの後は急行のプレートがありません。車両もオハ35でスハ43やナハ10ではありません。他の席の乗客も変わっています。次の列車で撮り直しでしょうか。
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