日本映画の鉄道シーンを語る

日本映画における鉄道が登場する場面(特に昭和20~40年代の鉄道黄金期)を作品毎に解説するブログ

222.おかあさんのばか

1964年6月 松竹 製作 公開   監督 水川淳三

両親・兄と共に平穏な生活を送っていた小学5年生の古田幸(加納美栄子)が、母の急死に因って生活が激変し 数々の困難に直面しながらも成長してゆく姿を描いた映画です。

幸の母 静江(乙羽信子)は区民水泳大会に出場した直後に、突然倒れて 脳出血に因って急死してしまいます。そして翌日から幸が一家の母親役を担うことになります。
しかし学校帰りに無人の家で魚を焼いて夕飯の準備を始めると、ガスの集金人が来て払えないのを怒られ 魚も焦がしてしまい家を飛び出して駒沢から渋谷駅へと行くのでした。
更に三段窓の京浜東北線 桜木町行 72系電車の走行シーンが映った後、
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幸は近所に住む井上猛(三上英一郎)が働く自動車工場へ会いに行き 夜になって帰ります。

ある日幸は近所に住み姉の様に慕う会社員の坂本千恵(榊ひろみ)に東京タワーへ連れて行ってもらい、両親の意向に反して 今は遠い黒四ダムで働く彼氏と結婚する決意を聞かされます。
そして千恵が旅立つ日 幸は一人早起きして、父と兄の朝ご飯の用意をしてから上野駅へ見送りに行きます。地平ホームに面して列車案内札の下がる改札を足早に通ると、14番線へと急ぎます。
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発車ベルが鳴り響く中 14番線で発車を待つ 82系気動車特急 白鳥号の元へ急ぐ幸の横には、16番線の 80系電車と 17番線の 451系電車らしきが停車している姿が見えます。
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幸は最後部から車内の千恵を捜して前方へと進むと、4両目で窓側に座る千恵を発見します。
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固定窓なので声はよく聞こえませんが、お互い身振り手振りを兼ねて別れの挨拶を交わします。
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構内放送で「 14番線は 7:43発 新潟行 特別急行白鳥号です」と流れていますが、当時 2003D 白鳥号は 9:05発 長野経由の大阪行なのでアフレコと思われます。

やがて白鳥号は、ゆっくりと動き始めました。手を振りながら少し歩きますが、立ち止まって列車の最後部を見送ると
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元来た中央改札口へと走り出しました。
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広小路口を出て振り向くと、駅の時計は 7:45指しているので
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京成上野駅方面へと急ぐ姿が映ります。幸は駒沢に住んでいるので地下鉄銀座線で渋谷へ行き、玉電に乗ったと思われます。

見送りに行ってから学校に間に合う設定なので、白鳥号を 7:43発にしたのでしょう。それでも少々苦しい設定なのですが・・・
しかし架空の新潟行としたのは不思議です。黒四の入口は大糸線 信濃大町か北陸本線 富山なので、大阪行の白鳥号のままなら富山を通ります。(上野 9:05発 → 富山 16:03着)

9:05上野発の白鳥号と 5:20青森発の白鳥号を直江津で併結して大阪まで食堂車2両を含む 14両編成で運行する方式は、1965年10月に上野発が金沢行はくたか号として分離されるまで続きました。




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