日本映画の鉄道シーンを語る

日本映画における鉄道が登場する場面(特に昭和20~40年代の鉄道黄金期)を作品毎に解説するブログ

218.殺人容疑者

1952年8月 電通DFプロ 製作  新東宝 配給 公開

殺人事件の捜査過程を警察の協力の元 愛宕署を使うなどオールロケによって撮影され、ドキュメンタリータッチで描かれた緊迫感あふれる映画です。

冒頭 帝都高速度交通営団 銀座線 渋谷車両工場脇の道で殺人事件が起きて、警視庁による捜査が始まります。この場所は他社作品にも、この後度々登場する有名なロケ地です。
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遠く東横百貨店を臨み そこから延びる銀座線の留置線には、東京高速鉄道由来の 100形や東京地下鉄道由来の 1000形車両が休んでいます。
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中盤 事件の容疑者として 兼田(纓片達雄)が浮かび上がり、中沢刑事(石島房太郎)と豊田刑事(土屋嘉男)が有楽町駅付近で兼田を追い掛ける場面があります。
銀座七丁目の東海道本線と外堀に沿った道から疾走追跡が始まり、山手線か京浜線の 30系国電らしきが停車する有楽町駅を過ぎて迫力ある街頭追跡シーンが続きます。
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その後 木村(丹波正三郎)を長とする会社ぐるみで行われた犯行との容疑が固まり、逃亡を図る木村を沢刑事(沢彰謙)が追跡する場面でも鉄道シーンがあります。
東京駅へ向かった木村は、東海道本線の下り列車に乗ります。旧型のEF58形電機らしき走行シーンが先ず映り、
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白カバーの無い二等車内に座る木村を後方から沢が見張っています。
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刑事の尾行を察知した木村は、座席上に帽子と上着を掛けてトイレに行くフリをして移動します。
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トイレから隙を見てデッキへ移動し、列車が横浜駅へ到着しかかった所で飛び降り 逃走します。
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木村が飛び降りた列車は、二等車が3両連なっています。この当時 昼行で3連二等車の編成があるのは、33ㇾ急行きりしま号と 35ㇾ急行雲仙号で 時間帯から 35ㇾを使ってのロケと思われます。

指名手配された木村は都内に戻りますが、泊ったホテルで拳銃を見られて再び逃走します。山手線 72系電車らしきが映った後
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田町の札の辻陸橋付近に移動した所で見付かり、刑事を撃って更に逃走します。
横川橋梁の工場があった辺りから東海道本線下り線を越えて東京機関区内を抜けた様です。70系電車が停まる田町電車区内で見付かり、豊田刑事達に追われて線路内を走って逃げる木村です。
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更に通過電車の直前を横切って逃走し 排水溝に隠れますが、豊田刑事に見付かり 包囲されて札の辻橋の下で逮捕されます。通過列車の大変多い場所でのロケで、現在ではとても無理でしょう。




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