日本映画の鉄道シーンを語る

日本映画における鉄道が登場する場面(特に昭和20~40年代の鉄道黄金期)を作品毎に解説するブログ

 19. 大脱獄

 1975年4月  東映 製作 公開  カラー作品    監督 石井輝男   

 仲間に裏切られ死刑囚となった梢一郎(高倉健)が脱獄し、復讐を図るアクション映画です。

 鉄道シーンとしては、網走刑務所を脱獄した梢が仲間の国岩邦造(菅原文太)と組み北海炭鉱へ届けられる二億円を列車内から奪おうとする剛田(田中邦衞)一味を襲い、復讐を図る計画をたてます。
 夕張線(現:石勝線夕張支線)清水沢駅の木造跨線橋で梢が待っているところへキハ22DCが到着し、国岩が降り立ちます。
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のりかえ 南大夕張方面と書かれた案内板もあります。
 続々と跨線橋を渡り大夕張鉄道に乗り換える人々の中に現金運搬人や剛田ら一味もいます。客車の屋根にはダルマストーブの煙突が有ります。
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 剛田一味は銃器で列車ジャックし、機関士 機関助手を縛り上げ石打峠の手前で客車と機関車を切り離し、バックで停止した所へ迎えが来る計画です。
 梢は列車ジャックした一味の内二人が機関車へ向かった隙に国岩と共に反撃し、剛田らへの復讐を遂げます。一方 機関士らが縛り上げられ下り坂を暴走する機関車は脱線転覆してしまいます。

 清水沢駅での乗り換えシーンは大夕張鉄道で行われ、ストーブ付客車やホームで荷物の運搬にソリを使うなど厳寒期の映画らしい演出もあります。
 でも機関車の走行シーンは清水沢駅から2駅隣の沼ノ沢駅から接続していた北海道炭礦汽船真谷地炭鉱専用鉄道の機関車で行われたそうで、元夕張鉄道の9600形 22か24だろうと思います。19-4.jpg


 何故そうなったかというと、13. 新網走番外地 嵐呼ぶ知床岬 で紹介したSLが1973年12月末 全面DL化されていたので、旅客列車は無くとも近い真谷地炭鉱専用鉄道のSLで撮影したのでしょう。
 大夕張鉄道ではDL化後も廃止まで一貫して機関車牽引の旅客列車で運転していたので、清水沢駅での乗り換えシーンが撮影されました。
 なお暴走した機関車の脱線転覆シーンは1960年公開の東映映画( 大いなる旅路)で 18633 機関車が脱線転覆したシーンの使い回しですね。それ故このシーンは白黒です。19-3.jpg


 大夕張鉄道は 13. で前出の様に 1987年7月廃止ですが、真谷地炭鉱専用鉄道も 1966年9月 旅客列車廃止の後 1987年10月 閉山に伴い専用鉄道廃止となっています。
 この地区の大御所 夕張鉄道が 1975年3月 一足早く廃止となった後も共に営業を続け、仲よく1987年 僅かな違いでの廃止でした。
 
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