日本映画の鉄道シーンを語る

日本映画における鉄道が登場する場面(特に昭和20~40年代の鉄道黄金期)を作品毎に解説するブログ

175.ますらを派出夫会

1956年2月 東京映画 製作  東宝 配給 公開    監督小田基義

お手伝いさん派遣業界では新興の(ますらを派出夫会)が勢力を現し、老舗の(なでしこ派出婦会)はお得意先を減らしてしまいます。両会のせめぎ合いに、没落する亀山一家を絡めて描くコメディ映画です。

亀山家では(ますらを派出夫会)から派遣された人を使っていたが、来る人来る人が皆 問題人間でした。そこで副会長の江川健太(榎本健一)が派遣され、漸く満足する働きに喜ぶ一家でした。
ところが亀山寅造(柳家金語楼)の娘 絹子(白鳩真弓)の婚約者 金田(三木のり平)に会社の財産を持ち逃げされ、亀山家は 一気に没落します。亀山は妻と娘を田舎へ帰して東京で一人働く決意をします。

先ずC59形らしき蒸機の力強い足回りが映ります。
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続いて上野駅地平 11番ホームで発車待ちの、C59形10号機の前面がアップで登場します。現在の 11番線は高架の常磐線用ホームですが、現在の 14番線の位置と思われます。
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旧型客車に乗り込んだ亀山の妻 その(千石規子)と娘 絹子は、窓越しに見送りに来た亀山との別れを惜しんでいます。亀山は「働いてもう一遍暮せる様になったら、皆を迎えに行くからな」と二人に告げます。
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列車の先頭から汽笛が響くと、亀山はいよいよ別れの時が来たと覚悟した表情です。
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動き出した汽車から、そのは「じゃお達者で」絹子は「おとうさん~」。見送る亀山は「その~」次第に小さくなる二人でした。
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そのと絹子が乗る車両の後ろが最後部で荷物車が連結されています。亀山は窓から手を振る二人が見えなくなるまで 11番線で見送るのでした。
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この 11番線の隣は荷物ホームで、到着した荷物をさばいている様子が映っています。1964年10月に手荷物や新聞等以外の荷物取扱いが隅田川駅へと移るまでは、荷物でも上野駅構内は賑わっていました。
さて亀山母娘が乗ったC59形蒸機牽引のこの列車は? 当時の 11番線は東北本線列車の発車ホームでした。全線東北本線を行く青森行は、急行が 9:00発の 101ㇾ青葉のみで(仙台から常磐線経由みちのく号に併結され23:44着)普通列車が昼行・夜行(発駅時点)が各2本ありました。

二人は普通列車 青森行に乗ったので、昼行の 10:20発 翌朝 8:29青森に到着する 111ㇾか、12:40発 翌日 12:12にのんびり青森到着という 113ㇾの何れかと思われます。
ロケ当時の東北本線は上野~大宮が電化されているだけで、夜明け前といった様子でした。直通の青森行はこの他 福島から奥羽本線経由の夜行普通列車が2本と合計7本ありますがドン行主体で、主力は急行4本準急1本普通1本が走っていた常磐線経由でした。
C59 10蒸機ですが 1955年 東海道本線が米原まで電化されたので余剰となり、梅小路区から宇都宮区へ転属したのです。東北本線 上野方での活躍も2年半程で、宇都宮電化により白河区へと転属 その後C60 28へと改造されました。
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