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日本映画の鉄道シーンを語る

日本映画における鉄道が登場する場面(特に昭和20~40年代の鉄道黄金期)を作品毎に解説するブログ

174.青春のお通り

1965年7月 日活 製作 公開  カラー作品   森永健次郎

南原桜子(吉永小百合)は短大卒業後 お手伝いさん業こそ要領のいい仕事と考え、芦屋住まいの放送作家 浪花秀介(藤村有弘)の元で住み込みお手伝いさんとなりる コメディ青春映画です。

短大時代の同級生三人組はお互いを 桜子はチャッカリン 青柳久子(浜川智子→浜かおる)はケロリン 駒井中子(松原智恵子)はキドリン とアダ名で呼び合い、ケロリンと兄の青柳圭太(浜田光夫)の住む千里団地へ二人共転がり込む仲でした。
鉄道シーンは序盤 京阪神急行電鉄 千里山線 新千里山駅(現 阪急電鉄 千里線 南千里駅)を遠景で映すシーンから始まる。1600系4連が1番線に停車するホームに、梅田行 1600系電車が2番線に到着します。
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桜子が降りて来て階段へ向かうと、下から電車に乗ろうとする久子が上がって来てぶつかります。久子が何処へ行くのか答えない桜子に「お兄ちゃんを誘惑したら承知せんよ」と言い、桜子は「早よ行かんと乗り遅れるで」と返して久子を慌てさせます。
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1番線から発車寸前の梅田行電車に乗ろうとする久子ですが、車内が混んでいて乗れません。「チャッカリン 押して~」と久子が呼ぶと桜子は「よっしゃ」と答えて走り寄り、久子を押しますが他の乗客共々駅員に押されて乗せられてしまいます。
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続いて 1600系4連が走り抜けて行く姿を、陸橋上から捕らえた場面があります。1970年に開催された大阪万国博覧会で有名になった千里ですが、当時は新千里山駅まで部分延伸されたばかりで最長4連で運行されていた様です。
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桜子が住み込みで働く浪花家の妻で女優のユカリ(芳村真理)が映画出演の為 上京することになり、桜子が付き人として同行することになります。その折に結婚して国立に住む姉の瀬木梅香(長内美那子)に会いに行こうとします。
早朝 新宿駅から中央本線に乗り、アポ無しで国立を目指します。101系電車が高架線を走行している場面では 送電線の高い鉄塔が映っていますが、半分高架線が開通した翌年なので 高円寺付近でしょうか。
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そして三角屋根が特徴的な駅舎をバックに早朝の国立駅前に降り立ちます。
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この駅舎は 1926年の開業以来 2006年まで存在していましたが、高架線工事に伴い解体されました。
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新千里山駅で桜子が元に戻る方向の電車に乗せられてしまう場面は、ラッシュ時とはいえ開通間もない末端駅なので客も少なく京阪神電鉄としてもPRになり 撮影に協力したのでしょう。
それにしても久子は明らかに列に横入りだし このドアだけ3人も駅員がはりついて一般客を制限し、トラブルと危険防止を兼ねて撮影に協力していますね。コメディ映画として上出来でしょう。なお続編でも京阪神急行電鉄 芦屋川駅が登場します。








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