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日本映画の鉄道シーンを語る

日本映画における鉄道が登場する場面(特に昭和20~40年代の鉄道黄金期)を作品毎に解説するブログ

166.バージンブルース

1974年11月 日活 製作 公開  カラー作品   監督 藤田敏八

東京の予備校に通う岡山出身の畑まみ(秋吉久美子)と小林ちあき(清水理絵)が集団万引に加担して発覚し、借金取りに追われる中年男 平田洋一郎(長門裕之)と逃避行の放浪旅へ向かうロードムービーです。

万引現場からは逃れた二人は、寮へは帰れず郷里 岡山を目指します。平田に旅費を出してもらい、新幹線は使わず鈍行で岡山に向かう様です。
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日中 東海道本線の電車を鈍行乗り継ぎで進む、三人の様子が続きます。
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更に夜は旧客列車内のボックス席で寝ながら西へ進む場面が有りますが、この部分はセット撮影の様です。というのも当時は東海道本線上に旧客各停列車はもう存在していなく、急行銀河2号指定席部分位しか該当しません。
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続いて夜が明け、再び湘南色の電車に途中駅で駅弁を買って乗り込む平田の姿があります。
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どの辺りを走っているのか分かりませんが、朝食であろう駅弁をボックス席で食べる三人の様子も映っています。
そして岡山駅に 581系特急電車が到着し、
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4号車デッキから3人が降りて来ました。構内放送の様子からこの列車は岡山 11:30着の新大阪発 広島行 特急しおじ2号と思われます。最後の区間だけ特急を奮発したのでしょうか。
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映画公開の2年前に岡山まで開通した山陽新幹線ですが、全ての在来線特急が岡山接続となったわけではなく 広島行しおじ・西鹿児島行なは・宮崎行日向 等大阪始発の山陽本線特急が多く残っていました。

次に岡山駅正面口に三人が立ち、
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ちあきが「じゃどうも」と頭を下げると平田は「もういいの?」と聞きますが用済みの感じです。平田はまみに付いて実家へ行きますが、警察の手が廻っていたので倉敷へ行きました。
倉敷駅旧駅舎前で平田は「まぁゆっくり考えよう」と述べ、この先も平田とまみの放浪逃避行は続くのでした。
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コメント


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テツエイダさん、こんにちは。
「しおじ」の前面方向幕が残念ですね。
私も長いことCSの映画を観ていますが、山陽本線昼行特急の映像を観たことがありませんでした。
昔、地上波で観た東宝「喜劇だましの仁義」では581系「しおじ」?と車内の模様が映るのですが、残念ながら録画したビデオテープが行方不明です。
この映画はCSでは一度も放送していない様ですね。

アパッチ | URL | 2015-03-07(Sat)12:59 [編集]


Re: バージンブルース

アパッチ様 コメントありがとうございます。 たしかに新幹線開通前の東海道本線は数多く映画の中で昼行特急が見られますが、山陽本線昼行特急は少ないですね。方向幕はまったく残念です。
 (彼岸花 松竹 1958年 監督 小津安二郎)のラストシーンで蒸機牽時代の特別急行かもめ号の二等車内とテールマークが映っているシーンを一番に思い出しますが、他は殆ど急行列車ですね。(細かいことを言えば、淀川らしきを渡るシーンなのでまだ東海道本線上ですが)
 東宝「喜劇だましの仁義」は見たことがありません。情報有り難うございます。

テツエイダ | URL | 2015-03-10(Tue)12:41 [編集]