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日本映画の鉄道シーンを語る

日本映画における鉄道が登場する場面(特に昭和20~40年代の鉄道黄金期)を作品毎に解説するブログ

154.銀座旋風児 黒幕は誰だ

1959年12月 日活 製作 公開  カラー作品   監督 野口博志

銀座に事務所を構える 表向き 装飾美術デザイナー 二階堂卓也(小林旭)の、探偵活劇シリーズ映画 第2作です。

冒頭 EF58形電機牽引の神戸行夜行列車から
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印刷工 加川恭介(雪丘恵介)が飛び降ります。加川をマークしている男が直ぐ非常ボタンを押して、列車は非常ブレーキを鳴らして急停止します。
車内では寝ていた乗客が、急停止のショックで起こされビックリして窓から外を見ています。電機の運転室から機関士たちが後部を見ていますが、暗くて良く分からない様子です。
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デッキでは加川をマークしている組織の万吉(木浦祐三)と金功成(冬木京三)が、扉を開けて暗い後方を見ているところへ車掌が通りかかり「デッキは危険なので中へ入って下さい」と告げます。
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客席へ戻った二人は「どうせヤツの行先は分っている」と話しているところへ再び車掌が通り、「間もなく発車します 神戸へは5分遅れの模様です」と告げると車内は平静になりました。
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近くの席には二階堂が座り、日本開拓公団汚職事件を伝える新聞を読んでいます。当時 東京発神戸行夜行列車といえば 21:00発 15ㇾ急行銀河で、編成後部に 6両の三等車を連結していました。

続いては夜明け頃の様に薄暗い東海道本線 神戸駅(アパッチ様のコメントより)へEF58電機を先頭に列車が到着し
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改札を通った二人組は( 三の宮 )と駅名が掲示された駅前へ出てタクシーに乗り込みます。
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急行銀河号ならば、7:51の到着なので厚い曇り空の日なのでしょう。神戸の自宅へ戻った加川は二人組に襲われますが、二階堂に助けられニセ札印刷に加担し怖くなって逃げ出したことを話すのでした。

事件が解決し、助手の明子(浅丘ルリ子)に「雲の如く又旅に出る」とキザなメモを残して消える二階堂。ラストは小林旭の歌う主題歌が流れる中、銀座中心部の街中が映ります。
銀座四丁目交差点をバックに中央通りを都電1系統 品川駅行が続行運転しています。
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続いて数寄屋橋付近のビルから銀座四丁目交差点を映し、1系統などと交差する晴海通りを8か11系統の都電が走っています。
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この頃は都電が緑色主体から黄色に赤帯に塗り替えしている途上で、両方の塗装の都電が銀座の中心を走る姿を捉えながらエンドマークとなります。
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コメント


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神戸駅です

テツエイダさん、こんばんは。
写真の三ノ宮駅ですが、実は神戸駅です。
EF58の外に見えるレールがホームの無い神戸駅6番線です。
神戸駅6番線は始発の普通電車を係留する為に使われています。
白い建物は神戸中央郵便局です。

日活作品は神戸市街が登場する作品では何時も三ノ宮駅が登場しますが、神戸駅を偽装してまで三ノ宮駅にする意味が分かりませんね。
他社の作品は普通に神戸駅が登場するのに。

アパッチ | URL | 2014-12-12(Fri)20:25 [編集]


Re: 神戸駅です

 アパッチ様 コメントと御指摘ありがとうございます。

いやー三ノ宮駅のネオン看板カットもあったので、気が付きませんでした。
早速( 50.若い瞳 )のラストシーンで神戸駅ホームでの別れの場面があるので、確認すると成る程バックの白い神戸中央郵便局の建物もありました。

また三の宮との看板がある口から出て来るシーンも本物の様なので、EF58到着シーンは都合による後からの別撮りしたので神戸で撮ってしまったのかなとも思えます。

テツエイダ | URL | 2014-12-13(Sat)15:35 [編集]