
難病である白血病に罹ったトラック運転手 五所川肇(北大路欣也)と病院看護婦 浮田奈美(星由里子)の純愛映画です。
五所川が白血病の疑いが濃いので医師の岩倉秀(平幹二郎)は、 奈美に好意を持ってる五所川を受診させる為 奈美に一役かってくれと頼みます。
デートの後受診する約束で会い 柏崎駅の改札口を一緒に通ろうとすると、五所川は帰ってしまい 奈美は怒って列車に向かって行きます。

その後病状が進行する中で、二人は患者と看護婦の関係から共に愛情を抱く様になります。しかし奈美には以前からの許婚がいるので、親に話す為実家へ向かいます。
奈美が柏崎駅のホームで列車を待つ頃

五所川は病院で実家へ向かったことを聞き、誤解してトラックで駅へ急行し ホームまで駆け付けますが既に発車後で間に合いませんでした。

ヒートアップした五所川は、列車を追い掛けようと トラックを猛然と走らせます。DD51形ディーゼル機関車が牽引する旧型客車を日本海沿いの国道で見つけると、グングン追い上げます。


やがて追い付くと、奈美は扉が開いたデッキで立ってアイスを食べている様です。五所川はクラクションを連打して呼びかけますが、なかなか奈美は気付いてくれません。

タオルを振りながら必死で呼びかける五所川に奈美が漸く気付きますが、奈美の「危ないから」の声も「次で降りるから」の声も騒音でなかなか通じません。


そして列車と並走できる区間が終わる頃 漸く意図が通じた様ですが、今度は五所川の様子がオカシクなり 奈美は気が気ではありません。

奈美がハラハラする内、列車は次の柿崎駅に滑り込みました。奈美は急いで改札を抜け 駅前に停車しているトラックに駆け寄りますが、五所川の意識は無い様です。


奈美を追い掛け 並走しながら呼びかける 切迫感あるこのシーンは、信越本線 米山~柿崎の日本海沿いの国道8号線と並走する区間で撮影されました。
この映画のロケが行われた頃 普通旅客列車は新潟運転所から分離独立した東新潟機関区のDD51ディーゼル機関車牽引とDC列車 貨物はD51形蒸機中心でした。
ロケ当時撮影可能な旧型客車列車は朝方5本・日中1本夕方2本ありました。柿崎駅到着時 ホームの電柱の陰が短いことから、11:57柏崎発 12:37柿崎到着の長岡始発 334ㇾ高崎行と思われます。
五所川の一途な思いとそれを受け止める奈美の心 その舞台に旧型客車はハマりますね。その後 1969年10月には信越本線最後のこの区間(宮内~直江津)も、電化・近代化され旧型客車も徐々に少なくなってゆきました。


