日本映画の鉄道シーンを語る

日本映画における鉄道が登場する場面(特に昭和20~40年代の鉄道黄金期)を作品毎に解説するブログ

 149. 千曲川絶唱

1967年2月 東京映画 製作  東宝 配給 公開   監督 豊田四郎

難病である白血病に罹ったトラック運転手 五所川肇(北大路欣也)と病院看護婦 浮田奈美(星由里子)の純愛映画です。

五所川が白血病の疑いが濃いので医師の岩倉秀(平幹二郎)は、 奈美に好意を持ってる五所川を受診させる為 奈美に一役かってくれと頼みます。
デートの後受診する約束で会い 柏崎駅の改札口を一緒に通ろうとすると、五所川は帰ってしまい 奈美は怒って列車に向かって行きます。
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その後病状が進行する中で、二人は患者と看護婦の関係から共に愛情を抱く様になります。しかし奈美には以前からの許婚がいるので、親に話す為実家へ向かいます。
奈美が柏崎駅のホームで列車を待つ頃
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五所川は病院で実家へ向かったことを聞き、誤解してトラックで駅へ急行し ホームまで駆け付けますが既に発車後で間に合いませんでした。
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ヒートアップした五所川は、列車を追い掛けようと トラックを猛然と走らせます。DD51形ディーゼル機関車が牽引する旧型客車を日本海沿いの国道で見つけると、グングン追い上げます。
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やがて追い付くと、奈美は扉が開いたデッキで立ってアイスを食べている様です。五所川はクラクションを連打して呼びかけますが、なかなか奈美は気付いてくれません。
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タオルを振りながら必死で呼びかける五所川に奈美が漸く気付きますが、奈美の「危ないから」の声も「次で降りるから」の声も騒音でなかなか通じません。
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そして列車と並走できる区間が終わる頃 漸く意図が通じた様ですが、今度は五所川の様子がオカシクなり 奈美は気が気ではありません。
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奈美がハラハラする内、列車は次の柿崎駅に滑り込みました。奈美は急いで改札を抜け 駅前に停車しているトラックに駆け寄りますが、五所川の意識は無い様です。
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奈美を追い掛け 並走しながら呼びかける 切迫感あるこのシーンは、信越本線 米山~柿崎の日本海沿いの国道8号線と並走する区間で撮影されました。
この映画のロケが行われた頃 普通旅客列車は新潟運転所から分離独立した東新潟機関区のDD51ディーゼル機関車牽引とDC列車 貨物はD51形蒸機中心でした。

ロケ当時撮影可能な旧型客車列車は朝方5本・日中1本夕方2本ありました。柿崎駅到着時 ホームの電柱の陰が短いことから、11:57柏崎発 12:37柿崎到着の長岡始発 334ㇾ高崎行と思われます。
五所川の一途な思いとそれを受け止める奈美の心 その舞台に旧型客車はハマりますね。その後 1969年10月には信越本線最後のこの区間(宮内~直江津)も、電化・近代化され旧型客車も徐々に少なくなってゆきました。
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並行する国道

はじめまして。いつも更新を楽しみにしています。
中越地震で信越本線が不通の時、柿崎から柏崎まで代行バスに乗車したことがありました。崖の土砂は崩れ、屋根瓦は落ち、架線柱は傾いていて酷い状況でした。キャプチャーの非電化単線の頃のこの区間の光景から思い出しました。
映画のほうは緊迫したシーンだったのですね。

京葉帝都 | URL | 2014-11-08(Sat)00:15 [編集]


Re: 並行する国道

京葉帝都 様コメントありがとうございます。

この区間は昔 糸魚川へ東洋活性白土・デンカ青海専用線訪問の後、越後交通へ向かう時 通りました。
海が美しく、その後 鯨波の民宿へ海水浴に泊まったこともあります。

緊迫した列車追跡シーンのある日本映画は少ないですが、次回 150回記念に追跡シーンのあるテレビ番組を取り上げてみます。

テツエイダ | URL | 2014-11-09(Sun)12:45 [編集]