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日本映画の鉄道シーンを語る

日本映画における鉄道が登場する場面(特に昭和20~40年代の鉄道黄金期)を作品毎に解説するブログ

145.真白き富士の嶺

1963年11月  日活 製作 公開   監督 森永健次郎

白血病を病む 18歳の磯村梓(吉永小百合)が文通する謎の恋人とを成就させようと姉の梢(芦川いづみ)が奮闘する内、病が進み事の真相が明らかとなる悲恋映画です。

梓の姉 梢は東京 新宿の洋裁学校の教師。窓から地下化工事中の京王線の線路が見え、屋上から淀橋浄水場が見えるので文化服装学院でロケが行われた様です。
妻を亡くした父 磯村修平(宮口精二)は新橋近くの高校の教頭で、梓の療養の為 逗子に引っ越したので父と姉は長距離通勤となっている。

鉄道シーンは磯村の帰路から始まる。新橋駅 東海道本線ホームで磯村がベンチで電車を待っていると、横須賀線下り電車が到着します。
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横須賀線は当時 東京~大船が東海道本線と線路が共用で、増発は 1980年 10月に別線が完成するまで待たねばならない状況でした。

ロケ当時は長年主力で活躍した 70系電車から 111系へと置き換えが進んでいた頃で、新橋駅に到着した上り電車は 111系と思われます。
続いて、横須賀線 逗子駅から磯村が降りて来ました。そこへ療養中の梓が小走りで駆け寄り、磯村を心配させてしまいます。
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姉の梢は梓宛てのラブレターを見てしまってから、イニシャルだけの謎の恋人をつきとめ成就させようと思います。
この事を恋人の山上裕(小高雄二)に市ヶ谷~飯田橋の土手斜面で、相談する場面があります。総武・中央緩行線の 101系電車が行きかう線路端まで二人は降りて話しています。
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梢と山上で M.Tに該当する人物を捜すも、見つからず江ノ電 藤沢駅ホームで相談するシーンがあります。
当時の江ノ電 藤沢駅は小田急 藤沢駅に近く、両社の先端が斜めに近付く形で国鉄への乗り換えも現在より便利だった気がします。構内は2面3線構造でした。
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木造駅舎ホームのベンチに二人で座って話している前の1番線に、300形らしき1両の電車が到着します。
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江ノ電はこの頃利用者が減り、1965年には廃止も検討されています。その後交通渋滞から利用者が増え、藤沢駅南口再開発で 1974年現在の高架駅へと移転しました。
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