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日本映画の鉄道シーンを語る

日本映画における鉄道が登場する場面(特に昭和20~40年代の鉄道黄金期)を作品毎に解説するブログ

 144. 国際秘密警察 火薬の樽

1964年12月 東宝 製作 公開  カラー作品   監督 坪島孝

世界征服を目論む世界統一同盟に対抗する、国際秘密警察の一員 北見次郎(三橋達也)の活躍を描くアクション映画です。

世界統一同盟に誘拐された竜野博士(田崎潤)の救出へ向かう警視庁の柳生警部(佐藤允)と、博士の娘 華代(星由里子)・博士の助手 宮地(二瓶正也)の三人が新幹線に乗っているシーンからスタートです。
開通して間もない東海道新幹線0系の走行シーンの後、二等車三人掛けシートに柳生を中心に座っています。
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三人が乗る超特急ひかり号が豊橋駅を通過するシーンの後
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車内に爆弾を仕掛けたとの電話が警視庁にあった旨の緊急電話があり7分後には爆発との内容です。
柳生は華代が顔を知っている同盟メンバーが乗っていると思い、車内を捜すと
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ビュッフェで見付かり柳生と格闘になります。壁の時計は 11:15
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そして男を捕えますが、男は自決してしまい爆発時刻が迫ります。しかし爆弾の遠隔装置は解除され、予告時刻より3分経過しても何事も無く車内は喜びに沸き立ちます。
時刻は 11:20 入口横の速度計は 210km辺りを差し、反対側入り口上には現在地計が有り 豊橋辺りを差しています。この格闘シーンの為、セットを組んで撮影したと思われます。

舞台となった超特急ひかり号は豊橋駅を通過後 11:15だったので、東京 9:00発 名古屋 11:27着の 7Aㇾひかり7号と思われます。
ロケ当時は東京~新大阪 4時間運転時代で、名古屋迄も 2時間 27分掛かり爆弾騒動が終わっても未だ名古屋に着かないのです。開業一年後から 3時間10分運転となりました。

事件は解決し、ラストシーンは東京駅丸の内口です。東京中央郵便局をバックに東京ステーションホテル入口前で、同盟メンバーの6号 ルミ(水野久美)が当局に引き渡されます。
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そして北見が皆に別れを告げ、駅前広場から都電方面へと歩き出したところでエンドマークとなります。旧新丸ビルをバックに走る6000形らしき都電は 28・31系統の何れかです。
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28系統は錦糸町~都庁前 31系統は三ノ輪橋~都庁前で東京駅丸の内口前を走っていましたが、この映画公開の5年後 1969年には共に東京駅前から姿を消しました。
現在ではこの映画に映っている建物全てが、建て替え又は復元リニューアルされて変わっています。

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