日本映画の鉄道シーンを語る

日本映画における鉄道が登場する場面(特に昭和20~40年代の鉄道黄金期)を作品毎に解説するブログ

140.紅の拳銃

1961年2月 日活 製作 公開  カラー作品   監督 牛原陽一

殺し屋斡旋業の石岡国四郎(垂水悟郎)にスカウトされた中田克己(赤木圭一郎)が、裏社会を相手に闘う時 正体を明かすサスペンス・アクション映画で完成作としては赤木圭一郎の遺作となりました。

石岡には目が不自由な妹 菊代(笹森礼子)がいて気になった中田が検査を受けさせると、神戸に治せる可能性のある医師がいることが分かります。
菊代を連れた石岡が重厚な造りの国鉄 三ノ宮駅に降り立ちました。時計は 10時 2分を指しています。
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ところが、待ち構えた陳一家の手下に拉致されてしまいます。
二人が乗って来た列車を妄想すると、東京 22:15発 (急行あかつき・1019ㇾ大阪行) → 9:14 大阪 9:35 ー (準急鷲羽1号・2305ㇾ宇野行) ー 9:58三ノ宮着となります。

中田が石岡を裏切った行動に出た様に見えたが、潜入捜査の刑事である正体を明かし菊代の目も治ったことから誤解が解けました。
事件が解決し 中田は釈放され石岡と二人が生田警察署を出てくると、背後に神戸市電が走っています。冬の青空に緑の車体が映えていますね。
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続いては石岡と菊代が東京へ帰る場面です。汽笛と共に EF58電機に牽かれた客車が川を渡って行きます。当時 九州→東京の急行を中心に関西から東京への昼行客車列車がまだありました。
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10系客車らしき車内では石岡と菊代が向い合せで座り、窓辺に弁当とミカンを置いて寛いだ様子です。
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菊代は突然「この汽車に中田さんが乗っている気がする」と言って車内を歩き出しました。
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菊代は車内を前部へ移動して行きますが、なかなかそれらしき人はいません。デッキで中田に出くわし「この人では?」と思いますが、中田が反応しないので更に進んで行きました。
元より菊代が中田と接していたのは目が見えない時で、顔は分りません。中田としては菊代のことを好いていますが、自身の立場もあって今は名乗り出られないのです。

中田は去り行く菊代の後ろ姿を見送りながら「何時かは言うさ、君が好きだと」と呟きます。そして列車は海辺を東京へと進んで行きエンドマークとなります。ロケ地はお馴染みの興津~蒲原でしょうか。
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列車の最後部から逆から見ると、郵便車・荷物車・マロネ29 一等寝台車・スロ 51 一等車 ×2両と後部に3両もの一等車が続いて連結されています。

当時 昼行で東海道本線を走る列車でこの様な編成は、40ㇾ急行 西海( 佐世保 15:30 → 三ノ宮 5:52 → 東京 15:41 ) だけで、特にダブルルーフ・3軸台車のマロネ 29が目立っています。
この映画公開年の 10月に全国時刻大改正があり 長崎行の急行 雲仙と佐世保行の急行 西海が合併されたので、単独編成末期の貴重な走行姿です。


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