日本映画の鉄道シーンを語る

日本映画における鉄道が登場する場面(特に昭和20~40年代の鉄道黄金期)を作品毎に解説するブログ

131. 人形の歌

1959年9月 日活 製作 公開   監督 斎藤武市

井関恵子(中原早苗)は4種類の女を演じて4人の男と同時につきあい、その内の一人と結婚後も他の3
人と関係を続け意外な結末を迎える迄を描くドラマです。

冒頭 京都にいる南田喬平(小高雄二)の元に向かう恵子が、夜行の急行列車らしき指定席二等車のシート(前年迄特ロ)に座り口紅を直すシーンから始まります。このシーンはセット撮影の様です。
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やがて列車は京都駅5番ホームへ、EF58 26電機に牽引されて到着します。隣の6番ホームにも先着らしき二等車付列車が停車しています。7:36着 大阪行の急行月光あたりが適当でしょう。
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再び東京行夜行列車に乗った恵子は食堂車で乗り合わせた妻子ある美術写真家の勢津伊之助(金子信雄)と知り合います。この食堂車のシーンもセット撮影の様です。
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京都から乗って食堂車が営業中の上り夜行列車は 21:32発の24ㇾ急行 瀬戸 22:02発 42ㇾ急行 筑紫 22:32発 22ㇾ急行 安芸の3本が該当し、大阪発の急行にはありません。

続いてこの夜行列車が EF58形電機に牽引され東京到着直前の有楽町駅手前を進行し、京浜東北線の72系電車とすれ違うシーンがあります。
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勢津とは東京で付き合い、勢津好みのウブな女を演じて関係を深めます。二人がデートの終わりに、秋葉原駅総武本線ホームで別れるシーンがあります。ここの様子は現在とあまり変りありません。
ホームに半流線型のクモハ41形電車が先頭の総武本線72系電車が到着し、名残惜しそうに恵子は別れて乗り込みました。 その後の車内で恵子は作戦成功といった様子で、今後の展開を考えています。
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それから勢津の家に招かれた恵子が、東急東横線 田園調布駅へ降り立つシーンもあります。
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有名な西口とは違い、地味モダンなTKK 田園調布駅 東口改札から恵子が降りて来ました。
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改札口左手には 勢津の妻(渡辺美佐子)が、乳母車をこれ見よがしに押しながら恵子を出迎え自宅へ案内して行きました。この駅は{ 108.青春の鐘 }や「 おゆきさん 1966年日活 」でも登場しています。

その後 夜の東横線 踏切で考え事しながら、青蛙こと 5000系4連が通過するのを待つ恵子の姿があります。この時代 東横線でも踏切にまだ遮断機は付いていませんね。
最後の鉄道シーンは、京都 京阪電鉄 四條駅( →1963年4月より 四条→2008年10月より現 祇園四条)をバックに四条大橋の歩道をサッパリとした顔で歩く恵子の姿です。
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橋の中央には京都市電7番 四条線(祇園~四条大宮)が走っています。5か月前同じ日活から公開された「 才女気質  監督 中平康 」の中に、この場所でロケが行われたシーンがあります。
その後 1972年1月この四条線は廃止となり、京阪電鉄も1987年5月 地下化され現在ではこの界隈の様子もすっかり変わってしまいました。


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