日本映画の鉄道シーンを語る

日本映画における鉄道が登場する場面(特に昭和20~40年代の鉄道黄金期)を作品毎に解説するブログ

 106. 仲間たち

1964年3月 日活 製作 公開  カラー作品   監督 柳瀬観

山形出身のトラック運転手 松本光弘(浜田光夫)とバスの車掌 木村節子(松原智恵子)が、ふとしたことから知り合い仲間に助けられ励まされながら成長してゆく日活得意の青春映画です。

舞台は東京オリンピック直前の川崎。冒頭 松本が吉濱運送のトラックで産業道路を品川方面へ走っています。遠方から俯瞰する様にズームアウトすると、川崎市電と塩浜方面へ向かう貨物列車が映ります。
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川崎市電 浜町三丁目電停辺りでしょうか。市電は川崎駅前へ向かっている様です。右手の工場は日本鋼管で、白い煙を吐いて市電の線路に寄って来た蒸機は国鉄の C11形と思われます。

ここから先は市電の線路を三線軌条化して国鉄が間借りし、乗り入れていた珍しい区間でした。しかしこの映画公開の 11日後には、市電はここから池上新田までが単線化されその先は廃止となりました。
なんだか軒を貸して母屋を取られた感じですが、監督はあえてこの珍しい区間を入れたのでしょうか。ならばもう少し分かる様なアップのシーンも入れてほしかったですね。

続いては、松本と節子が待ち合わせるシーンです。京急の線路沿いの道を双方から歩いてくる二人の横を 230系らしき電車が通過して行きます。ロケ地は京急川崎~八丁畷の上並木公園辺りのようです。
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車体更新後の 230系だとすると本線上を走る末期の姿で、この後は大師線等の支線でしか見られなくなり最後は 1978年まで走っていました。

松本が自分のトラックを手に入れようとガムシャラに働く場面にも、短いカットの中に鉄道シーンがあります。次の画像は川崎市電 500系らしき車両とすれ違うシーン。
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その次の画像が分かりません。松本が木炭の包みをトラックから降ろしている背後に、赤い電機がワム90000形の様な有蓋車を連結して停止しています。
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西武鉄道の E11形電機によく似た機関車ですが、川崎周辺の私鉄専用線でこの様な電機が存在したのか? 西武の E11形だとすると多摩川線の是政辺りでしょうが・・それにしては場所が離れすぎています。

最後の画像はヤケを起こして飛び出そうとする松本を節子が止めたつもりが、「見ろ乗り遅れちゃったじゃないか あれ最終だったんだぞ」と勘違いだったことが分かる場面です。
ライトアップして撮影していますが、川崎市電の 700系らしき車両です。場所は市電通りの渡田小前電停の様です。
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