日本映画の鉄道シーンを語る

日本映画における鉄道が登場する場面(特に昭和20~40年代の鉄道黄金期)を作品毎に解説するブログ

 102. 夜の牙

1958年1月 日活 製作 公開   監督 井上梅次

医師の杉浦健吉(石原裕次郎)は知らぬ間に自分の死亡届が行方不明の弟 忠夫によって出されていたことから、その謎を探り 事の真相に迫るサスペンスアクション映画です。

杉浦は自分の墓がある奥伊豆へ三太(岡田眞澄)と向かいます。先ず EF58 電機が長い編成の客車を牽引する列車が映ります。
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この場面は2か月後に公開された(79.錆びたナイフ)のシーンと似ていますね。
奥伊豆にいる杉浦の叔父は亡くなっていて、その遺産は杉浦と弟の忠夫が受け取ることになっていたことを知ります。叔父の家は執事の加納(西村晃)が受け取っているが、忠夫の居所は知らないと言われてしまいます。

東京へ帰るべく奥伊豆駅(架空駅)へ来た二人は、
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発車し始めた東京行列車に飛び乗ります。
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二等車に座ると、一番奥の席に杉浦の墓の近くで見かけた女が乗っているのに気づきます。
「東京の女だね」と三太が言えば、杉浦は「銀座の女だ」と返します。その列車の三等車には、加納も乗っていました。やがて品川駅7番ホームへ EF53?らしき電機に牽かれて到着します。
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ここであの女 花岡真理(月丘夢路)が降りたので、杉浦達も降ります。こげ茶の車体に鮮やかな青い帯の二等車である7号車の横を真理が歩き、その後ろを二人が付いて後方へ向かいます。
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続く6号車も二等車オロ35で その次の三等車である5号車との連結部へ近付いた時、5号車のデッキから加納が降りて来ました。そこで杉浦は三太に、加納の後をつける様指示します。

この列車は2両連続で二等車が連結されているので、当然急行列車では?と思われます。6,7号車に二等車が連結されているのは東海道本線では珍しく、急行大和くらいしか該当しないのではと思います。
しかしこの列車には急行の札が付いていません。また7号車の端から降車して歩き、6号車を過ぎて5号車の端まで来ても発車ベルが鳴らないのも不思議です。おそらく撮影用に用意された車両なのではと思われます。

また架空の奥伊豆駅が何処なのかは不明ですが、杉浦達が乗ろうとしたホームの上部には奥伊豆の駅名板の横に方面案内板が有り(国府津・沼津)とローマ字で書いてあります。
ここから想像すると、東京方面の上り列車に乗ったのではなく下り列車に乗る所を撮影したのではないでしょうか。そう考えると国府津の手前 平塚辺りの駅を奥伊豆駅として撮影したとも考えられます。
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コメント


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夜の牙

またまた架空駅にこだわります。

奥伊豆は架空駅とのことですが、三枚目の写真には駅名が「おくいづ」と掲げられています。これは勿論、小道具で作ったものでしょうが、これは本来は「おくいず」ではないでしょうか。

いくら奥がついても伊豆は「いずIZU」と表記すべきではなかったでしょうか。駅名で伊豆を「いづIDU」と表記してあるところはありますか。

スタッフは架空駅だからどちらでもよいと思ってしたことなのか、それとも? 

赤松 幸吉 | URL | 2014-10-15(Wed)17:06 [編集]


Re: 夜の牙

赤松様 毎度コメントありがとうございます。

なるほど「おくいづ」は変ですね。小生は受け流してしまいましたが、架空とはいえ変です。
伊豆をいづと表記している駅はありません。

架空駅が出ている映画は色々ありますが、( 79.錆びたナイフ)の様に悪事の舞台に実名駅を使いにくい例が普通です。
(47.大幹部 無頼)の様に予算と日程の都合で津軽まで行かず、信州の飯山駅を仕立てる例も多いです。

テツエイダ | URL | 2014-10-17(Fri)23:49 [編集]