日本映画の鉄道シーンを語る

日本映画における鉄道が登場する場面(特に昭和20~40年代の鉄道黄金期)を作品毎に解説するブログ

 99. 警察日記

1955年2月  日活 製作 公開    監督 久松静児

南東北のとある田舎町にある警察署を舞台に、様々巻き起こる事態を描くドラマです。先に(25.續・警察日記)を取り上げましたが、本作が9か月先に公開された正編です。

鉄道シーンは続編程華やかではありませんが、最後にあります。貧困から捨て子したシズ(坪内美子)が子と別れ、都会へ働きに出るのを吉井巡査(森繁久彌)が駅で見送りするシーンにあります。
横宮駅(架空駅)のホームにいるシズの所へ吉井巡査が駆け付け、奥さんの着物を渡します。ホームには婚礼に向かう花嫁さんやら、自衛隊へ入隊に行く岩太(伊藤雄之助)を見送る一団もいます。

「列車が到着しますので御後へ願います」と駅員の声に続いて、D50型蒸機牽引の列車が来ました。
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しかし次のカットでは水タンクをリベット打ち組立したC10型が、Wルーフ客車を牽引して到着します。
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乗車したシズは吉井と別れの言葉を交わし、岩太はもらった(祝 自衛隊入隊)の旗を向かいの席に置いて下降式の窓を開け一団から見送りを受け 昔の出征の様です。

C105機関車がアップで映ると、汽笛が鳴り発車です。
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元校長で子供を全員戦争で亡くしてオカシクなった林田(東野英治郎)は、列車が去るまで万歳を繰り返し悲しい様子です。
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続いては峠道で自転車を押していた花川巡査(三國連太郎)が、遥か下の方を走るD50牽引列車が峠への上り勾配を走る姿を見ています。
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自分が関わった人間が乗っていることを考えているのでしょうか。
そして最後は会津磐梯山をバックに、力強く煙を吹き上げながら堂々の8両編成で走るD50牽引列車をアップで左から右にパンしながら追い掛け映しながら映画は終わります。
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PS,  この映画は主に磐梯熱海の町でロケが行われたそうです。D50型蒸機が走行するシーンも確かに現地の磐越西線で撮影したと思われます。しかし横宮駅のシーンがちょっと引っかかります。
「列車が到着します」の部分は猪苗代駅で撮影されたのかな?と思えますが、C105が登場する横宮駅(架空)はC105が当時武蔵五日市区にいたことから あるいは西秋留駅(現 秋川駅)で撮影されたのでは?
川桁駅での撮影との文献もありますが、貨物側線が有りませんし駅舎の柱形が違います。当時 会津若松区に5台のC10型機関車が所属していたそうですが、構内入替や会津線・日中線担当で磐越西線はD50が一手に引き受けていたと思われます。
五日市線での撮影だとするとC10が牽引するWルーフの古典的旧客車は珍しく、五日市鉄道時代からの使用車両でしょうか。当時は7割以上の列車が気動車運転で、公開2年後に完全気動車化された五日市線なので古いまま使っていたのかな?
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