日本映画の鉄道シーンを語る

日本映画における鉄道が登場する場面(特に昭和20~40年代の鉄道黄金期)を作品毎に解説するブログ

 98. 花咲く乙女たち

1965年1月 日活 製作 公開  カラー作品    監督 柳瀬観

紡績工場の女工を水商売に誘い込む指令を組から受けた山口昌次(山内賢)とサブ(堺正章)が、友人となった仲間達から励まされ更生してゆく青春映画です。

冒頭 尾西の町へ向かうべく岐阜 長良橋をバイクで渡る、山口とサブが映ります。ピューゲルを屋根に付けた前面3枚窓の路面電車とすれ違いますが、不鮮明で廃止直前のモ 70形かもしれません。
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この路線は名鉄 岐阜市内線 長良線(徹明町~長良北町)で、途中に急カーブ部分が有ることから車種が限られ晩年は北陸鉄道金沢市内線から来たモ 550形で運行 1988年廃線となりました。

山口は女工の林田サツキ(西尾三枝子)と知り合い、サツキの父親が田舎から出てきた時 観光案内をかってでます。成田山名古屋別院大聖寺前に来たとき頭上を犬山モノレールが通過して行きます。
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これは 1962年(犬山遊園~動物園 1.2km)開通した名鉄の路線で、2年後開通の東京モノレールのモデルとなりました。その後乗客減少もあり、2008年末廃線となり現在犬山遊園駅付近では跡形もありません。

そしてサツキの父 林田清作(中村是好)が岐阜駅から帰宅するシーンが一番の見どころです。まだ地平駅の岐阜駅1番線高山線ホームで 旧客に乗った父をホームからサツキが窓越しに見送っています。
「かあちゃんに美味しいものでも買って」と3000円の入った封筒を渡すと
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ベルが鳴り汽笛が聞こえると、汽車はゆっくりと黒煙を吹き上げ発車して行きました。最後に父親は「昌次さんにも宜しくな」と一言。
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先頭で牽く機関車は映っていませんが、C58型蒸機と思われます。隣の2番ホームには次列車として 15:50の看板が架かっていますので、この列車は 14:52発 833ㇾ美濃太田行と思われます。
終点 美濃太田で更に飛騨金山行列車に接続しています。高山線岐阜口ではその後 1968年10月旅客列車が無煙化され、更に 1969年1月完全無煙化でサヨナラ列車が運転されました。

ラストシーン 組とは縁を切り、町を去る山口がバイクで名神高速道路をノーヘルで走っています(特撮)。その左手を開通後まだ日の浅い東海道新幹線が追い越して行きます。
0系 12連でひかり号かこだま号かは分かりませんが、前方には雪を被った伊吹山でしょうか?見えています。
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コメント


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花咲く乙女たち

舟木一夫のベスト曲、西條八十の叙情詩がまさに絶品。これほど美しい日本語で綴られた歌謡曲はまず他にはないでしょう。よくぞ取り上げてくれました。
旅立つ主人公が乗る列車を自動車、オートバイ(時には自転車)で追いかけるというラストのシーンは、よく画面に登場します。この映画では特撮だったのですね。今から思うと後ろの画面はスクリーンだったような気がします。


疑問に思うのはテツエイダ様がDVD化もされていないような「東京五人男」「西城家の饗宴」などの映画をどうやって入手されているかということです。

また、映画が「日活」「東宝」に偏りすぎていると思います。「東映」なども含めてください。GyaOで最近見た「警視庁物語 深夜便一三〇列車」などは鉄道映画の大傑作だと思うのですが。一体、あの列車は本当に存在したのか、興味のわくところです。

ついでに、「うず潮」に記載されている「ハエタタキ」とは何ですか

赤松 幸吉 | URL | 2013-11-24(Sun)16:09 [編集]


花咲く乙女たち

追伸

この映画で一番感動的なシーン、紡績工場の女工さんたちが休憩時間に外でダンスをするところ。みんなで手をつなぎ、円陣になったダンスシーンを真上のカメラが捉えている。あの女工さんたちは一体どこへ消えてしまったのだ。

そして、そして、信じられないことですが、あのロケ地となった工場が今でも尾西市にそのまま存在しているのです。

赤松 幸吉 | URL | 2013-11-24(Sun)20:27 [編集]


Re: 花咲く乙女たち

赤松様 コメントありがとうございます。この映画は典型的な青春映画で、小生も大好きな作品です。

DVDを始めBS CS VHS 等色々な方法で日本映画を見ています。Gyaoは未だ見ていません。

ハエタタキとは昔撮影に行くと非電化路線でも線路端に鉄道業務用の通信回線を張った電柱が有り、電線を張る為の横棒が何本か付いている形が家庭内にあるハエタタキの様だったのでこの様に呼ばれた隠語です。

テツエイダ | URL | 2013-11-26(Tue)22:26 [編集]