
1969年5月 公開 制作 俳優座映画放送 配給 松竹 監督 森川時久(フジテレビ)
東北の寒村で育った間崎ミツ(木村夏江)が 東京で 兄妹で暮らす佐藤家に転がり込み、懸命に生きる若者たちの 苦悩や生き様を 淡々と描いた青春映画です。
父親が出稼ぎに出たまま失踪し 母親と深い仲となった辰夫(福田豊土)を ミツは憎み、辰夫に包丁を突き付けた後 一人で東京へと向かう汽車に乗りました。
先ず D51形蒸機に牽かれた列車が雪原を走る姿が映ります。


車内は満席で トランプに興じるグループで

席の無い男が騒ぎながら ミツの席の肘掛に座って来たので、

ミツが男の尻を 抓り上げると 奇声を上げて離れたのでした。

その後も夜汽車は淡々と、東京を目指して走ります。

東京の製靴工場で働き出したミツですが 同僚を庇って退職となったので、仲間の佐藤オリエ(佐藤オリエ)の家に低額で移り 住まわせてもらうことになりました。
佐藤家の次男で トラック運転手の次郎(橋本功)と付き合う 町子(夏圭子)は、労組時代からの腐れ縁である 塚本(塚本信夫)の就職手伝いの為 次郎とのデートを断り その後に山手線日暮里駅で 別れるシーンがあります。


佐藤家の三男で 大学生の三郎(山本圭)は 学生運動に熱中し、10.21国際反戦デーで 倒れた仲間を助け様として 機動隊に叩かれ負傷してしまいます。
この場面では全学連デモ隊が 新宿駅構内へなだれ込み 駅施設や電車への投石・破壊活動・放火を行い 規制しようとした機動隊と対決して、後に{新宿騒乱}と呼ばれた事件の 記録フィルムが始めに使われています。
9枚目の画像は 全学連のメンバーが線路のバラストを ホーム上の機動隊に向かって投げている様子で、

続いての画像は機動隊に向かって 隣のホームから投石するシーンで 駅名板は既に破壊されています。

11枚目の画像では 115系電車らしきの屋根に上った男が 発煙筒らしきを焚いていますが、

当日は騒ぎに便乗した 大勢の野次馬が混在していて 全学連のメンバーでは無い可能性があります。
帰宅した三郎が オリエとミツから 傷の手当をしてもらいますが、長男太郎(田中邦衛)・次郎から 学生運動を批判され ミツからも気楽な身分だと非難されているところへ 辰夫が来訪します。
ミツは家を飛び出しますが 佐藤兄弟は、ミツが毎月仕送りをしていることや 4年も戻らない父親に代わって 間崎家を支える辰夫の話を聞いて 好意を持ちます。
続いて 上野駅 地平17番ホームには(常磐線経由 青森行)のサボを架けた 急行列車が停まっています。

時間帯から 12:10発 201レ急行十和田1号と思われます。
ホームのベンチでは ミツと辰夫が無言のまま 並んで座っていましたが、

「おかあちゃんとのこと ミッちゃんがどうしても イヤなら、北海道の兄貴の所で働いて 月に一万円程送るよ」と辰夫が切り出します。
すると ミツは取り出した お土産を辰夫に渡し、「頼むな!ウチ」と実家を託す様に 伝えます。辰夫は微笑みを浮かべ「元気でやれや」と答えるや、

動き出した 急行列車のデッキに飛び乗りました。

去る行く列車のデッキから

辰夫はミツに向かって ずっと手を振り続けるますが、

ミツは固い表情のままで 辰夫を見送るのでした。
PS.
ミツが乗った列車を牽く蒸気はD51型の762号機でロケ当時は青森区所属でしたので、ヨンサントオ後の奥羽本線を走る姿を捉えた映像ではと想像します。
6枚目の画像は妙にリアルな車内シーンですが、客車区で車輌を借りてエキストラを乗せての撮影かと思われます。
7・8枚目の画像に映る山手線・京浜東北線・常磐線の日暮里駅舎は、1974年頃迄あった歴史ある西口の駅舎と思われます。
急行十和田1号は当時上野~青森を走り通す、唯一の昼行急行列車でした。先頭で牽引するのは、交直両用のEF80形電機です。
特別急行列車は未だ敷居が高い時代なのか、12枚目の画像では修学旅行の高校生らしきの一団が先頭車両に乗っています。
失踪した父親に代わって乗り込んできた辰夫を憎んでいたミツでしたが、急行列車の発車ベルが鳴りだすと実家を支えてくれてる事実もあって母親との仲を認め・許します。
ミツの顔に笑顔こそありませんが、急に流れ出したBGMと共に新しい父親を見送る場面は印象深いものがあります。
本作には 山本圭とは考えが違う全学連のまとめ役小川に江守徹・就職試験場で全学連寄りの意見を言う本間に原田芳雄の様に、その後に有名俳優となった人が数多く出演しています。 特に学生服姿の原田芳雄は、貴重な映像でしょう。
東北の寒村で育った間崎ミツ(木村夏江)が 東京で 兄妹で暮らす佐藤家に転がり込み、懸命に生きる若者たちの 苦悩や生き様を 淡々と描いた青春映画です。
父親が出稼ぎに出たまま失踪し 母親と深い仲となった辰夫(福田豊土)を ミツは憎み、辰夫に包丁を突き付けた後 一人で東京へと向かう汽車に乗りました。
先ず D51形蒸機に牽かれた列車が雪原を走る姿が映ります。


車内は満席で トランプに興じるグループで

席の無い男が騒ぎながら ミツの席の肘掛に座って来たので、

ミツが男の尻を 抓り上げると 奇声を上げて離れたのでした。

その後も夜汽車は淡々と、東京を目指して走ります。

東京の製靴工場で働き出したミツですが 同僚を庇って退職となったので、仲間の佐藤オリエ(佐藤オリエ)の家に低額で移り 住まわせてもらうことになりました。
佐藤家の次男で トラック運転手の次郎(橋本功)と付き合う 町子(夏圭子)は、労組時代からの腐れ縁である 塚本(塚本信夫)の就職手伝いの為 次郎とのデートを断り その後に山手線日暮里駅で 別れるシーンがあります。


佐藤家の三男で 大学生の三郎(山本圭)は 学生運動に熱中し、10.21国際反戦デーで 倒れた仲間を助け様として 機動隊に叩かれ負傷してしまいます。
この場面では全学連デモ隊が 新宿駅構内へなだれ込み 駅施設や電車への投石・破壊活動・放火を行い 規制しようとした機動隊と対決して、後に{新宿騒乱}と呼ばれた事件の 記録フィルムが始めに使われています。
9枚目の画像は 全学連のメンバーが線路のバラストを ホーム上の機動隊に向かって投げている様子で、

続いての画像は機動隊に向かって 隣のホームから投石するシーンで 駅名板は既に破壊されています。

11枚目の画像では 115系電車らしきの屋根に上った男が 発煙筒らしきを焚いていますが、

当日は騒ぎに便乗した 大勢の野次馬が混在していて 全学連のメンバーでは無い可能性があります。
帰宅した三郎が オリエとミツから 傷の手当をしてもらいますが、長男太郎(田中邦衛)・次郎から 学生運動を批判され ミツからも気楽な身分だと非難されているところへ 辰夫が来訪します。
ミツは家を飛び出しますが 佐藤兄弟は、ミツが毎月仕送りをしていることや 4年も戻らない父親に代わって 間崎家を支える辰夫の話を聞いて 好意を持ちます。
続いて 上野駅 地平17番ホームには(常磐線経由 青森行)のサボを架けた 急行列車が停まっています。

時間帯から 12:10発 201レ急行十和田1号と思われます。
ホームのベンチでは ミツと辰夫が無言のまま 並んで座っていましたが、

「おかあちゃんとのこと ミッちゃんがどうしても イヤなら、北海道の兄貴の所で働いて 月に一万円程送るよ」と辰夫が切り出します。
すると ミツは取り出した お土産を辰夫に渡し、「頼むな!ウチ」と実家を託す様に 伝えます。辰夫は微笑みを浮かべ「元気でやれや」と答えるや、

動き出した 急行列車のデッキに飛び乗りました。

去る行く列車のデッキから

辰夫はミツに向かって ずっと手を振り続けるますが、

ミツは固い表情のままで 辰夫を見送るのでした。
PS.
ミツが乗った列車を牽く蒸気はD51型の762号機でロケ当時は青森区所属でしたので、ヨンサントオ後の奥羽本線を走る姿を捉えた映像ではと想像します。
6枚目の画像は妙にリアルな車内シーンですが、客車区で車輌を借りてエキストラを乗せての撮影かと思われます。
7・8枚目の画像に映る山手線・京浜東北線・常磐線の日暮里駅舎は、1974年頃迄あった歴史ある西口の駅舎と思われます。
急行十和田1号は当時上野~青森を走り通す、唯一の昼行急行列車でした。先頭で牽引するのは、交直両用のEF80形電機です。
特別急行列車は未だ敷居が高い時代なのか、12枚目の画像では修学旅行の高校生らしきの一団が先頭車両に乗っています。
失踪した父親に代わって乗り込んできた辰夫を憎んでいたミツでしたが、急行列車の発車ベルが鳴りだすと実家を支えてくれてる事実もあって母親との仲を認め・許します。
ミツの顔に笑顔こそありませんが、急に流れ出したBGMと共に新しい父親を見送る場面は印象深いものがあります。
本作には 山本圭とは考えが違う全学連のまとめ役小川に江守徹・就職試験場で全学連寄りの意見を言う本間に原田芳雄の様に、その後に有名俳優となった人が数多く出演しています。 特に学生服姿の原田芳雄は、貴重な映像でしょう。


