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日本映画の鉄道シーンを語る

日本映画における鉄道が登場する場面(特に昭和20~40年代の鉄道黄金期)を作品毎に解説するブログ

402.天国の駅

1984年6月  東映 製作 公開   監督 出目昌伸

夫が傷痍軍人なるが故に 巡査と関係を持った挙句の果てに 夫を毒殺し、離れた場所で第二の人生を送るも 再婚した夫まで殺す羽目になる女の 生き様を描いた映画です。

序盤 林葉かよ(吉永小百合)の夫 栄三(中村嘉葎雄)は 病死と判断され、巡査を辞めて 大学へ進む為に 援助した橋本浩一(三浦友和)が 帰省するのを かよが水戸線 結城駅で 出迎える場面があります。
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かよが 改札駅員(掛田誠)と話す内に
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列車が到着した後
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橋本が現れ、東京で交際していて 同行して来た 幸子(真行寺君枝)に かよを 姉だと紹介しました。
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ところが 二階で寝ている幸子を他所に かよに 手を出す等したので、二人共 橋本に愛想を尽かし 天の原行電車でトンネルと長い鉄橋を越えて
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錦谷駅に到着しました。
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近くの錦谷温泉で 結城紬を織りながら 民芸品の店を開き 二人で生活し始めます。

その後 温泉宿 大和閣の主人 福見康治(津川雅彦)に、帳場の横で 結城紬の機織り実演販売を するように頼まれ始めます。

宿泊客にも好評で 充実した毎日を 送っていたある日 福見の妻 辰江(白石加代子)が、精神病院から一時退院して モハ1形104に乗って 錦谷駅に帰って来ました。
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しかし大和閣に到着し 機織りするかよを見ると、暴れまくり かよは頭を負傷してしまいます。

また 橋本が かよ達の居場所を 嗅ぎ付け 大和閣に現れます。そこで福見は 二度と会わないと 書いた念書と引き換えに 二百万円を渡し 追い払うのでした。

福見は かよに謝罪し 宿の雑役を担当している 田川一雄(西田敏行)に、かよの幸せの為だと 言い含めて 次の一時退院時に 邪魔な辰江の殺害を依頼しました。

大和閣の女中頭が 錦谷駅ホームで出迎える中、
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辰江が乗った電車に 田川は途中から飛び乗り
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辰江を鉄橋上から突き落としてしまいます。
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そして 錦谷駅で待っていた 女中頭の前に到着した
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モハ2形111電車に、辰江の姿はありませんでした。
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こうして福見は念願のかよと、結婚するに至るのです。

ところが 厄介払いした筈の橋本は 幸子を錦谷駅に呼び出し、モハ2形108 黒江行に乗ります。
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車内で「俺と一緒になろう」などと 橋本は 錦谷を去る気が無い様です。
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そこで幸子は電車が鉄橋に掛かると
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走行中の扉を開けて 橋本を突き落とそうとしますが、逆に落とされてしまい
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遺体を見た かよは 深く落胆します。

その後 結城以来かよを 慕い続ける田川を 福見は始末しようとしますが、意外にも かよに火箸で刺され 殺されたので 二人は警察や 消防団に追われる身となります。

一晩逃走し 辿り着いた駅の 出札口にかよが「二枚下さい」と言うと、田川が追手に見つかり 五十沢刑事(丹波哲郎)に かよは田川と共に捕まってしまいます。
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 出札口には 天国行の切符が二枚置かれてありました。
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そして 死刑が執行された後 天国行の電車には かよが乗り、
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紅葉の情景が美しい中 鉄橋を渡って 上り勾配を行くのでした・・・
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PS.
  最初の水戸線 結城駅のシーンは 1955年の時代設定なので、1枚目で 駅舎の左手後方から 黒煙を上げたり 大井川鉄道 新金谷駅でロケを行っています。 その後 73おやぢ 様からの情報で、川越線の武蔵高萩駅でのロケと判明しました。

  7枚目からの画像で 錦谷駅として映る駅は、箱根登山鉄道の 塔ノ沢駅です。ロケは主に 小田原方面行の 上りホームで行われ、構内が狭い為 カメラは先の 塔ノ峰トンネル内に設置して 撮影したと思われます。

  塔ノ沢駅は 前後にトンネルがあり ホームは2輌分の長さしかなく、ロケ当時は作中の様に 小田原方に 構内踏切がありました。
  その後 乗客増加の為 1993年に小田原方の 塔ノ峰隧道入口部を 拡幅工事し、分岐器を移動して ホーム延長の為 構内踏切から跨線橋化し 3輌編成停車に対応しています。

  田川は 走行中の電車に飛び乗り、外からドアを開けて 車内に乗り込みます。全車手動ドアの 設定なのか、外側から ドアコックを操作して 開けたのか。幸子も いきなり走行中に ドアを開けているので、全車手動ドアの 設定なのでしょう?

箱根登山鉄道の協力で 架空の天ノ原行も 対向の黒江行も 塔之原駅の同じ上りホームを使い、17枚目の画像からの 黒江行は 逆行運転で 大平台駅方向へ 出発して行く等 力の入れ具合が分かります。(下りホームを使うと、駅名板が映ってしまう?)


  美しい紅葉時期に 1917年完成の 早川橋梁を渡るシーンは、箱根登山鉄道の ハイライトポイントとも言えるでしょう。



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157. 女

1948年4月 松竹 製作 公開   監督 木下恵介

SKDのダンサー 林敏子(水戸光子)は腐れ縁の恋人 町田正(小沢栄太郎)に何かと振り回されていましたが、とことんワルな町田と決別して再出発を決意するまでを描いた映画です。

ある日敏子の仕事場へ訪ねてきた町田から「明日朝一番の列車で箱根湯本へ来る様に」と言われます。翌朝 敏子は東海道本線に乗り、先ず小田原を目指します。
未だ薄暗い中 EF57 らしき電機牽引列車が迫り来るシーンと横から映したシーンが有り初期型のEF56 6が牽いて列車は小田原駅へ到着しました。
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敏子は下車して足早に箱根登山鉄道へ乗り換え、車内で隣に座る男の新聞で (三人組覆面強盗現る) のニュースを知ります。
続いて箱根湯本駅へ到着する チキ1形1が映ります。
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1919年の小田原電気鉄道 鉄道線開業時から走る、箱根登山鉄道 最古参の車両です。
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ダブルルーフの木造車体にバッファー付きリンク式連結器と、新製時のクラシックスタイルのまま走る姿は貴重な記録と思われます。
1950年 小田急乗り入れ時に鋼体化改造され、連結器も密着式へ取り換えたので改造直前のタイミングでロケが行われたのです。
この車両はその後 モハ1形 101と改番 晩年は 102と2両固定編成となり長く活躍しましたが、惜しまれながら 2002年廃車となりました。
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さて遠路駆け付け この後温泉へ向かうものと思っていた敏子に町田は、「これから浜松へ行くぞ」と告げ 敏子を唖然とさせます。
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小田原駅 下り列車を4番ホームのベンチで待つ間、町田は強盗事件の新聞記事を敏子に見せてニヤつき 敏子は町田の仕業だと確信します。
そこへEF13 1電機が牽く列車が到着しました。
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その後の走行シーンでは、EF57 電機も登場します。敏子は町田から逃れる術を考えている様子です。
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列車が有名な根府川の橋梁を渡る際、列車の横から上から下から橋梁が主役であるかの様に克明に映しています。
そして列車が真鶴駅へ到着する寸前 敏子は意を決したかの様に駅のホームへ飛び降り、勢い余ってバッタリ倒れてしまいます。
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それを見た町田も飛び降り、敏子の元へ駆け付けます。迫真の演技ですが、発車直後ではなく到着直前だったのが謎ですね。
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こうして敏子は町田からの逃避に失敗し 二人共真鶴で途中下車することになり、ヒッチハイクで熱海へ向かい一騒動となるのです。

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148.ミヨちゃんのためなら全員集合

1969年12月 松竹 製作 公開   カラー作品    監督 渡辺祐介

零細 漢方薬製造会社 経営の伊刈長吉(いかりや長介)は女房・従業員に逃げられるも、加藤ヒデオ(加藤茶)や高校時代の恩師の妹 花山美代(倍賞美津子)の助けでもち直すコメディ映画です。

鉄道シーンは終盤 従業員も元に戻り会社がもち直すが、伊刈の恩師 花山大造(ハナ肇)が街を出る場面にあります。
夜遅く、薄暗い日ノ出町駅(架空駅)で
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花山は東京迄の切符を買い求めます。妹 美代と改札を入ると突如 音楽が流れ、駅長室の方から学ラン姿の伊刈達が「ホタルの光」を演奏しながら現れます。
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ホームも日ノ出町駅として装飾してありますが、独特の古いコンクリート部分と木造の駅舎は 箱根登山鉄道 旧強羅駅と思われます。この駅は、1977年4月 現在の山小屋風駅舎へと改築されました。
そして箱根登山鉄道 モハ1形 102を先頭に電車が到着します。
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「ミヨちゃん」が演奏される内 花山と美代が乗り込み、見送りを受けます。
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22:30 最終の日ノ出町発 大河原行電車は 102を後部に警笛と共に消えて行きました。改札口からは、側線にモハ1形 101の姿が見て取れます。
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伊刈達が改札口から出てくる上には、本物の最終電車の時刻 次は 22:15と表示されています。この電車は小田原行で、23:00の到着です。運賃は 120円!でした。

箱根登山鉄道 モハ1形 102は 1919年製造され、主力電車として活躍 その後 101と102が組み走行 2002年2月末をもって引退しました。
また日ノ出町駅は京浜急行電鉄に実在しますが、架空の駅名に何故それ程離れていない実在する駅名を使ったのか不明です。

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