日本映画の鉄道シーンを語る

日本映画における鉄道が登場する場面(特に昭和20~40年代の鉄道黄金期)を作品毎に解説するブログ

114. ボクは五才

1970年9月 大映 製作 ダイニチ映配 配給 公開  カラー作品   監督 湯浅憲明

高知県伊野に住む五才の幼稚園児 奥村太郎(岡本健)が家出して、大阪で出稼ぎしている父 奥村安二郎(宇津井健)に会いに行くまでを描く 実話を元にした冒険映画です。

大阪へ行く決意をして家出する太郎ですが、自宅近くの土佐電鉄の電停から乗ろうとして煙草屋のお民(ミヤコ蝶々)に見つかり失敗します。
はりまや橋行の 300形311に後部から駆け寄る太郎の横にも線路が有りますが、その後のシーンでは単線ですので土佐電鉄伊野線単線区間(鏡川橋~伊野)でしょうか。
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交換可能な駅とすると朝倉電停ですが、街中ではないので違いますね。雰囲気からすると、八代信号場に乗降台を設置してロケが行われたのでは?と思われます。

3度目の家出では愛用のスケッチブックを小脇に抱え、お民に見つからぬよう隣の電停から乗った様です。同じく 300形311四輪単車のはりまや橋行が単線区間を走る姿があります。
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車掌から不審な目で見られながらもなんとか高知駅へ辿り着きます。その道中で昔父親と大阪へ行った時街中の看板等を書いたスケッチブックが行く先々での道標となったのです。
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高知駅の改札では、知らないおじいさんの鞄を持ってあげ通過に成功。やがて高松行の上り急行あしずり号が到着します。キハ58系気動車5連らしきが、ゆっくり到着。
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この当時 土讃本線の主力急行で7往復走っていました。
太郎は自分が手配されていることを察知していて、寸前まで物陰に隠れています。到着後に「急行 冷房車」の札が入った車両に近付き 乗り込もうとした時、あえなく鉄道公安官に保護され 家に連れ戻されてしまいました。

4度目は監視が厳しいので日曜日の早朝に家出し、土佐電を避けトラックの荷台に潜り込み高知へ。ここでも鉄道を避けて高松行のバスに乗り込みます。当時一日12便走っていた南四国急行バス 高知~高松線ですね。
映画の中では観光バスという設定で、バスガイド(川崎あかね)からチャッカリ弁当までもらいます。途中でバレて大歩危停留所で降り、船に乗った後 小歩危付近の土讃本線線路端を歩いて行きます。

すると太郎の背後から本線上を保線用軌道モーターカーがやって来て、次の駅まで乗せてくれました。
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橋やトンネルの多い険しい山間部の景勝地でもある区間で、駅間距離が長い所の様です。
降りた所は不明ですが、阿波川口駅でしょうか。
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その後またトラックに潜り込み、高松へ着きます。その折々でスケッチブックを見て、道中が間違いないことを確認しつつ前進して行きます。

宇高連絡船にも何とか乗れましたが高松に大事なスケッチブックを忘れ宇野から取りに戻ったので、更に往復連絡船に乗ることになり 大幅に遅れて大阪行の電車に乗りました。
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しかしこれで家出した翌日に探しに出た祖父 奥村安衛門(左卜全)と祖母 きく(北林谷栄)が追い付き同じ急行電車に乗り合わせましたが、乗っている車両が違い お互い存在に気付きません。

車内で修学旅行中の学生と乗り合わせた太郎は、学生からサンドイッチやリンゴをもらって腹一杯です。ヒモジイ思いをしているのでは!と心配する祖父母の思いとは逆の楽しい道中です。
こうして太郎を乗せた急行 鷲羽は無事大阪駅に着き、
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改札を勢いよく抜ける太郎の姿があります。当時 急行 鷲羽は 11往復あり シナリオ上の設定では、宇野 13:45発 大阪 16:58着の鷲羽 7号 新大阪行と思われます。

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