
1965年9月 東京映画 製作 東宝 配給 公開 カラー作品 監督 井上和男
ナポレオンに憧れる国鉄の 老機関士 寺山源吉(森繁久彌)は 退職勧告に耳を貸さず 煙たがられていましたが、自ら引退を決意するまでの過程を 機関士生活を通して描いた 人情喜劇映画です。
冒頭 高崎第一機関区の 給炭用ガントリークレーン横を D51形蒸機が走り、

傍らの事務所内では 菊岡助役(山茶花究)の退職勧告を 寺山は断固拒否しています。
続いて C1246蒸機が 客車列車を牽いて走り、キャブでは 寺山が機関助士の竹尾(石井伊吉)に「ボヤボヤするな」などと叱っています。

次に点検途中の 機関士 杉二郎(名古屋章)と組んでいる助士の丸山咲平(三木のり平)は、桐生駅へ入って来た 客レのデッキから手を振る女性に見とれています。



その様子を見ていた杉と竹尾は、呆れています。やがてこの高崎行の列車は、デッキから手を振る女性と共に去り行くのでした。

その後 交番編成が替わり、丸山は寺山と 組まされてしまいます。菊岡助役は 乗務して退職を説得してくれと願いますが、丸山は交換条件として 今の貨物列車乗務を続けさせてくれと要求します。

いよいよ寺山と初乗務の日 貨物列車は順調に進みますが、

丸山は前日に タコの食いすぎで腹痛を起こした影響で 大間々駅では早くもトイレに駆け込む始末です。

その後も腹痛が酷くなる丸山は 上神梅に続いて 水沼でトイレに駆け込みますが、

発車に間に合わず 丁度非番でホームにいた高橋(佐原健二)が 助士を引き受けてくれました。
漸くトイレから出て来た丸山は 動き出している列車に驚き駆け寄ると、
最後部の無蓋車に 飛び付いて乗り込みます。すると貨車前方部には、高橋の新妻が座り込んでいたのでビックリです。
丸山は機関車迄 貨車を伝って移動し、

キャブの天窓から戻るのでした。そして列車は無事 終点の足尾本山駅に到着し、


高橋は無蓋車から新妻を降ろしてあげています。

一方その頃 機関区では 寺山の後任にと転属して来た大田(南利明)が、いつまでも本乗務出来ない不満を 菊岡助役に訴えていました。

台風が襲来した夜 高橋が乗務する C5016蒸機牽引列車が 脱線転覆し 寺山は救援列車を C11353蒸機で運転して現場へ向かいます。
、
機関車と先頭の客車が転覆していて、高橋は機関車の下から救出されますが 亡くなっていました。

それからある日 寺山は乗務中 蜂に刺されて 顔が腫れあがり、助役から休むように言われます。明け番後 寺山は目が気になっていたので、病院で検査を受けてから 急いで出勤します。
ところが機関区では 大田が寺山に代わって 勤務することになっていて、大田は始業点検をしています。そこへ到着した寺山は、周囲が止めるのも聞かずに


大田を殴り降ろして 発進してしまいます。
長く組んで乗務する内 寺山を尊敬する様になった丸山は、寺山の行動を応援するのでした。

寺山も仕事熱心で責任感が強い丸山のことを いつしか認めています。
この強引とも思える乗務を最後に 引退することを 折り返しの休憩時に 丸山に伝えた寺山は、万感の思いで帰りの仕業をこなして

転車台から機関庫へカマを納めると


長々と汽笛を鳴らして カマに別れを告げました。
そして菊岡助役や 取り巻く乗務員に、本日をもって職を辞することを告げて 一同を驚かせるのでした。

PS.
本作では高崎第一機関区所属の C12形蒸機が足尾線を走る姿を映していますが、ロケ当時 足尾線担当は桐生機関区でした。冒頭客レを牽く2枚目の画像では、運転する寺山の下部の 所属区札がこのシーンだけ(桐)となっています。
高崎第一機関区は 基幹機関区だけに 大規模の給炭用ガントリークレーンや 最後から3枚目の様な 雄大な扇形機関庫等、協力する国鉄としては 平台から石炭を手積みする等 規模が小さい桐生機関区よりは 立派な機関区で撮影したもらいたかったのでしょう。
なおロケの3年後には 桐生機関区は廃止されて、所属するC12形蒸機は 高崎第一機関区へ転属の上 足尾線無煙化の1970年9月末まで走りました。
また冒頭で足尾線から 桐生で両毛線に乗り入れて 高崎まで走る客車列車が映っていますが、足尾線では 1960年に完全DC化されていますので ロケ用に編成の上 走行させたと思われます。
腹痛の丸山に代わって 助士を引き受けた高橋は 振動が激しく過酷な 無蓋車に妻を乗せますが、作中では機関車の次位に 車掌用席が有る ワフ22000形緩急貨車が連結されているのに 利用しなかったのは不自然ですね。
転覆事故場面の C5016蒸機は、当時相模線管理所で 第一種休車でした。ロケ協力として 相模線にて 旧型客車と共に横転させて、迫力ある事故シーンを撮影したそうです。でもC50の炭水車は 何処へ消えたのでしょうか。
最初に寺山と組んでいる竹尾役の石井伊吉とは本名で、三年後に毒蝮三太夫と改名する男の若き時代の姿です。
ナポレオンに憧れる国鉄の 老機関士 寺山源吉(森繁久彌)は 退職勧告に耳を貸さず 煙たがられていましたが、自ら引退を決意するまでの過程を 機関士生活を通して描いた 人情喜劇映画です。
冒頭 高崎第一機関区の 給炭用ガントリークレーン横を D51形蒸機が走り、

傍らの事務所内では 菊岡助役(山茶花究)の退職勧告を 寺山は断固拒否しています。
続いて C1246蒸機が 客車列車を牽いて走り、キャブでは 寺山が機関助士の竹尾(石井伊吉)に「ボヤボヤするな」などと叱っています。

次に点検途中の 機関士 杉二郎(名古屋章)と組んでいる助士の丸山咲平(三木のり平)は、桐生駅へ入って来た 客レのデッキから手を振る女性に見とれています。



その様子を見ていた杉と竹尾は、呆れています。やがてこの高崎行の列車は、デッキから手を振る女性と共に去り行くのでした。

その後 交番編成が替わり、丸山は寺山と 組まされてしまいます。菊岡助役は 乗務して退職を説得してくれと願いますが、丸山は交換条件として 今の貨物列車乗務を続けさせてくれと要求します。

いよいよ寺山と初乗務の日 貨物列車は順調に進みますが、

丸山は前日に タコの食いすぎで腹痛を起こした影響で 大間々駅では早くもトイレに駆け込む始末です。

その後も腹痛が酷くなる丸山は 上神梅に続いて 水沼でトイレに駆け込みますが、

発車に間に合わず 丁度非番でホームにいた高橋(佐原健二)が 助士を引き受けてくれました。
漸くトイレから出て来た丸山は 動き出している列車に驚き駆け寄ると、

最後部の無蓋車に 飛び付いて乗り込みます。すると貨車前方部には、高橋の新妻が座り込んでいたのでビックリです。
丸山は機関車迄 貨車を伝って移動し、

キャブの天窓から戻るのでした。そして列車は無事 終点の足尾本山駅に到着し、


高橋は無蓋車から新妻を降ろしてあげています。

一方その頃 機関区では 寺山の後任にと転属して来た大田(南利明)が、いつまでも本乗務出来ない不満を 菊岡助役に訴えていました。

台風が襲来した夜 高橋が乗務する C5016蒸機牽引列車が 脱線転覆し 寺山は救援列車を C11353蒸機で運転して現場へ向かいます。
、

機関車と先頭の客車が転覆していて、高橋は機関車の下から救出されますが 亡くなっていました。

それからある日 寺山は乗務中 蜂に刺されて 顔が腫れあがり、助役から休むように言われます。明け番後 寺山は目が気になっていたので、病院で検査を受けてから 急いで出勤します。
ところが機関区では 大田が寺山に代わって 勤務することになっていて、大田は始業点検をしています。そこへ到着した寺山は、周囲が止めるのも聞かずに


大田を殴り降ろして 発進してしまいます。
長く組んで乗務する内 寺山を尊敬する様になった丸山は、寺山の行動を応援するのでした。

寺山も仕事熱心で責任感が強い丸山のことを いつしか認めています。
この強引とも思える乗務を最後に 引退することを 折り返しの休憩時に 丸山に伝えた寺山は、万感の思いで帰りの仕業をこなして

転車台から機関庫へカマを納めると


長々と汽笛を鳴らして カマに別れを告げました。
そして菊岡助役や 取り巻く乗務員に、本日をもって職を辞することを告げて 一同を驚かせるのでした。

PS.
本作では高崎第一機関区所属の C12形蒸機が足尾線を走る姿を映していますが、ロケ当時 足尾線担当は桐生機関区でした。冒頭客レを牽く2枚目の画像では、運転する寺山の下部の 所属区札がこのシーンだけ(桐)となっています。
高崎第一機関区は 基幹機関区だけに 大規模の給炭用ガントリークレーンや 最後から3枚目の様な 雄大な扇形機関庫等、協力する国鉄としては 平台から石炭を手積みする等 規模が小さい桐生機関区よりは 立派な機関区で撮影したもらいたかったのでしょう。
なおロケの3年後には 桐生機関区は廃止されて、所属するC12形蒸機は 高崎第一機関区へ転属の上 足尾線無煙化の1970年9月末まで走りました。
また冒頭で足尾線から 桐生で両毛線に乗り入れて 高崎まで走る客車列車が映っていますが、足尾線では 1960年に完全DC化されていますので ロケ用に編成の上 走行させたと思われます。
腹痛の丸山に代わって 助士を引き受けた高橋は 振動が激しく過酷な 無蓋車に妻を乗せますが、作中では機関車の次位に 車掌用席が有る ワフ22000形緩急貨車が連結されているのに 利用しなかったのは不自然ですね。
転覆事故場面の C5016蒸機は、当時相模線管理所で 第一種休車でした。ロケ協力として 相模線にて 旧型客車と共に横転させて、迫力ある事故シーンを撮影したそうです。でもC50の炭水車は 何処へ消えたのでしょうか。
最初に寺山と組んでいる竹尾役の石井伊吉とは本名で、三年後に毒蝮三太夫と改名する男の若き時代の姿です。


