
1957年8月 東宝製作公開 監督 筧正典
両親を戦災で亡くし 設計事務所で働く齋藤隆太郎(小林桂樹)は 同僚女性と結婚を望むが、結婚退職の社内規則と 大学進学を望む弟の件で 悩む姿を描いた青春ホームドラマです。
冒頭 荒天の京王帝都電鉄 井の頭線 池ノ上駅へ

到着した電車から 傘を持たない齋藤が降りて、車内の女性に手を振り 改札口へ走るのでした。

翌朝 1900形らしき3連が池ノ上駅に到着し

齋藤の恋人 吉崎綾子(八千草薫)が、前日借りた傘と 背広の生地を抱えて降りてきました。齋藤の下宿先へ行くと 既に出勤後なので、弟泰助(久保明)に渡しました。
土曜日なので昼に退勤し 四ツ谷駅前を歩く二人の背後には、都電11系統の電車と 聖イグナチオ教会の聖堂が映っています。

続いて 井の頭線 1900形の走行シーンに続いて

先頭車 1901での車内シーンが有り、齋藤の袖の擦り切れた背広を見た綾子が「今朝 下宿へ寄って 背広の生地を預けて来た」と言って背広を新調する様勧めます。

そして「明日井の頭の駅で10:00で」と約束を確認して、池ノ上駅で 齋藤は先に降車します。
その後 井の頭線高井戸駅で到着した 吉祥寺行電車から、

背広生地を抱えた斎藤が降り 構内踏切を渡って改札口へ向かいます。弟の大学進学の為倹約し、背広の新調を諦めたのでした。
綾子の家で再会した齋藤は、背広を断り 駅までの帰り道で求婚します。「弟の大学卒業まで4年待ってくれ」と願い、綾子に同意してもらいます。高井戸駅で

明日は相模湖へ婚約旅行に出掛ける約束をして、朗らかな綾子の見送りを受ける齋藤です。

池ノ上駅で 1760形らしきから降りて来た齋藤は

帰宅後 泰助に向かって「大学に行け」と話しますが、叔父さん(北沢彪)宅で諭された泰助は アルバイトして夜学へ通うと 齋藤の申出を断りました。
翌朝 晴々とした気分の兄弟の前に 齋藤に進呈する亡父の背広と サンドウィッチ籠を持った綾子が現れ、家の前の井の頭線を 明るい1800形らしき3連が走り抜けて行く姿に続いて エンドマークとなります。

PS.
本作はプログラムピクチャー的短編で 青春映画らしき内容なれど、ラブシーンはおろか 手も繋がない二人を 描いています。また 全て善人ばかりが登場し、悪役や強面人は 一切出てきません。
それ故 文部省特選で 母の会・主婦連合会も推薦の、教育上好ましい映画なのでしょう。 今 小生の様な 年代者が観ると ほっこり心温まる作品で、何より1957年当時の 京王帝都電鉄 井の頭線が随所に現れ 満足度が高い作品です。
京王帝都電鉄全面協力で 撮影されたと思われますが、冒頭の荒天での 池ノ上駅場面のロケは 終電後に大勢のエキストラとロケ用電車を使い ポンプで大雨を降らし 風を送って撮影したのでしょう。
でも全面協力に対し 当時最新型の1900形がやたらと登場します。当時は戦前からの使用車を含めて 旧型車両が多数在籍していましたが、京王帝都としては PRも兼ねているので 極力1900形を映してほしかったのでしょう。
斎藤は 池ノ上駅近くに住んでいる設定ですが、最後の画像を見ると 車輛の後方に遠く見えるのが 旧高井戸駅の様にも思えます。
また綾子の家の有る高井戸駅は、拙ブログでも(31.宇宙人東京に現わる)(49.結婚の條件))(61.女妖)(334.ファンキーハットの快男児)など度々 旧駅舎でロケが行われていました。
当時の男性は勤務時は勿論、休日のデートにも背広で出かけていたんですね。そう言えば第一回ハワイツアーの集合写真を見た時、男性は全員背広だった様な記憶が有ります。
両親を戦災で亡くし 設計事務所で働く齋藤隆太郎(小林桂樹)は 同僚女性と結婚を望むが、結婚退職の社内規則と 大学進学を望む弟の件で 悩む姿を描いた青春ホームドラマです。
冒頭 荒天の京王帝都電鉄 井の頭線 池ノ上駅へ

到着した電車から 傘を持たない齋藤が降りて、車内の女性に手を振り 改札口へ走るのでした。

翌朝 1900形らしき3連が池ノ上駅に到着し

齋藤の恋人 吉崎綾子(八千草薫)が、前日借りた傘と 背広の生地を抱えて降りてきました。齋藤の下宿先へ行くと 既に出勤後なので、弟泰助(久保明)に渡しました。
土曜日なので昼に退勤し 四ツ谷駅前を歩く二人の背後には、都電11系統の電車と 聖イグナチオ教会の聖堂が映っています。

続いて 井の頭線 1900形の走行シーンに続いて

先頭車 1901での車内シーンが有り、齋藤の袖の擦り切れた背広を見た綾子が「今朝 下宿へ寄って 背広の生地を預けて来た」と言って背広を新調する様勧めます。

そして「明日井の頭の駅で10:00で」と約束を確認して、池ノ上駅で 齋藤は先に降車します。
その後 井の頭線高井戸駅で到着した 吉祥寺行電車から、

背広生地を抱えた斎藤が降り 構内踏切を渡って改札口へ向かいます。弟の大学進学の為倹約し、背広の新調を諦めたのでした。
綾子の家で再会した齋藤は、背広を断り 駅までの帰り道で求婚します。「弟の大学卒業まで4年待ってくれ」と願い、綾子に同意してもらいます。高井戸駅で

明日は相模湖へ婚約旅行に出掛ける約束をして、朗らかな綾子の見送りを受ける齋藤です。

池ノ上駅で 1760形らしきから降りて来た齋藤は

帰宅後 泰助に向かって「大学に行け」と話しますが、叔父さん(北沢彪)宅で諭された泰助は アルバイトして夜学へ通うと 齋藤の申出を断りました。
翌朝 晴々とした気分の兄弟の前に 齋藤に進呈する亡父の背広と サンドウィッチ籠を持った綾子が現れ、家の前の井の頭線を 明るい1800形らしき3連が走り抜けて行く姿に続いて エンドマークとなります。

PS.
本作はプログラムピクチャー的短編で 青春映画らしき内容なれど、ラブシーンはおろか 手も繋がない二人を 描いています。また 全て善人ばかりが登場し、悪役や強面人は 一切出てきません。
それ故 文部省特選で 母の会・主婦連合会も推薦の、教育上好ましい映画なのでしょう。 今 小生の様な 年代者が観ると ほっこり心温まる作品で、何より1957年当時の 京王帝都電鉄 井の頭線が随所に現れ 満足度が高い作品です。
京王帝都電鉄全面協力で 撮影されたと思われますが、冒頭の荒天での 池ノ上駅場面のロケは 終電後に大勢のエキストラとロケ用電車を使い ポンプで大雨を降らし 風を送って撮影したのでしょう。
でも全面協力に対し 当時最新型の1900形がやたらと登場します。当時は戦前からの使用車を含めて 旧型車両が多数在籍していましたが、京王帝都としては PRも兼ねているので 極力1900形を映してほしかったのでしょう。
斎藤は 池ノ上駅近くに住んでいる設定ですが、最後の画像を見ると 車輛の後方に遠く見えるのが 旧高井戸駅の様にも思えます。
また綾子の家の有る高井戸駅は、拙ブログでも(31.宇宙人東京に現わる)(49.結婚の條件))(61.女妖)(334.ファンキーハットの快男児)など度々 旧駅舎でロケが行われていました。
当時の男性は勤務時は勿論、休日のデートにも背広で出かけていたんですね。そう言えば第一回ハワイツアーの集合写真を見た時、男性は全員背広だった様な記憶が有ります。


