日本映画の鉄道シーンを語る

日本映画における鉄道が登場する場面(特に昭和20~40年代の鉄道黄金期)を作品毎に解説するブログ

 27. あらかじめ失われた恋人たちよ

1971年11月 日本ATG配給.公開  制作 日本ATG & ポール・ヴォールト・プロ   監督 田原総一郎 . 清水邦夫

元アスリートの哮(石橋蓮司)と唖の男(加納典明)と女(桃井かおり)の不思議な結び付きを描いた青春映画です。

 気ままな旅をしている哮は何故か、北陸鉄道 能登線の終点である三明駅に降り立ちます。乗って来たらしいキハ5211 DCはさっさと折り返し、遠去って行きました。
 鄙びたホームの先には小さな木造駅舎。しかして 何故かその改札手前では刃物を盛んに研いでいる駅員。 そしてジロリと哮に視線を送ります。

 ラスト近く キハ 5201 バケットカーの荷台部分に哮たち3人が乗り、風をきってこちらに向かって来る場面があります。
 盛んに警笛を鳴らしながら走っているのは要請したからなんですが、3人の勢いにノッてしまった様にも見えます。
 キハ 5201 は羽咋側にだけバケットが付いているので、このDCは羽咋方面へむかっています。

 キハ 5211 は1934年川崎車両製 鉄道省キハ41000形のキハ41056として生まれ、キハ41307と改番。国鉄キハ04形キハ048となり小海線で活躍後 遠州鉄道を経て、1967年北陸鉄道にやって来ました。
 1972年の廃線後は更に関東鉄道筑波線へ移ってキハ461として活躍し、筑波鉄道となった後の1985年廃車となりました。
 その後民間団体の手により保存されていましたが、現存する唯一のキハ41000形として鉄道博物館で元のキハ 41307 として再生し保存展示されています。

 キハ 5201 は1933年日本車両製 鉄道省キハ41000形のキハ41043として活躍。1950年能登線に移籍し、この時 羽咋側にのみバケットを取り付けました。
 北陸鉄道能登線 最後の日まで走り、1972年の廃線と共に廃車となりました。

北陸鉄道能登線は 1927年6月 能登鉄道として羽咋~三明の全線 25.5㎞が開業。1943年10月戦時陸上交通事業調整法により北陸鉄道に吸収合併 北陸鉄道能登線となりました。
 元々羽咋から人口の多い富来を目指して計画されたが、資金不足から中途半端な三明までしか建設出来なかったこととマイカー・バスに押され1972年6月全線廃止となりました。

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