
1962年9月 松竹配給公開 監督五所平之助
越後の漁村で 川本みつよ(新珠三千代)が 女手一つで 中一の息子一郎(謝春国)を育てている中、息子には死んだと聞かせてきた元夫が 金の無心に現れる等 波乱の生活を 一郎の視点から描いた映画です。
みつよは 故郷で(のんき屋)を営み 一郎と暮らしていましたが、漁師の大坪武(田村高廣)から求婚されて 顔なじみの一郎も 賛成の様子です。ところが厄病神の様な 元夫の佐久間詮造(伴淳三郎)が、金の無心に現れ みつよを悩ませます。
一郎の担任である 下瀬先生(津川雅彦)の尽力で 詮造は東京へ帰りますが、一郎は 父親である詮造が不憫に思え 大坪から送金された一万円を 持ち出して家出同然に上京します。
先ず 海沿いの単線区間を走り来る C57形蒸機1号機 牽引列車が映り、

窓側の席に 佐久間が忘れた荷物を抱えた 学生服姿の一郎がいます。

続いて 上野駅中央改札口から出て来た 一郎の姿が見え、

手紙の住所を頼りに 父親の家に辿り着き 荷物と一万円を渡します。
ところが 佐久間は大喜びすると その金の半分を 飲み屋の借金返済に使い、更に安い焼酎ではなく 清酒をがぶ飲みする始末です。
更に 泥酔状態で かつて自身が店主だった 浅草の草履問屋へ 一郎を連れて行くと、今では 新しい主人の元で 番頭として働く男(犬塚弘)に 絡んで困らせる等 醜態をさらします。
店の前の 江戸通りを 22系統(南千住~新橋)の都電が走り、

頭上には 東武鉄道浅草駅を出発した 伊勢崎線の電車が映っています。

東京の父親の家には 妻 亀子(日高澄子)と、一郎とは腹違いの 妹 鶴子(青柳真美)がいて 驚く一郎です。
鶴子と気が合い 仲良くなった一郎は、その晩 鶴子を内緒で連れて 新潟へ向かう夜汽車に乗ります。

しかし一郎は 自宅の前を通るバスに乗りながら 降りずに、

大坪から譲られた船に 鶴子と乗って 遭難騒ぎを起こしてしまいます。
怒るみつよを 下瀬は宥め 東京の実家の両親に 預けている娘を引き取る ついでと言って、鶴子を東京の家まで 送り届けてくれる事になります。
地元の 越後線 荒浜駅のホームで、一郎と鶴子は 別れを惜しむ様に遊んでいます。

傍らのベンチに座る下瀬に みつよは礼を述べ、鶴子を託しました。

そして 窓から身を乗り出して手を振る 下瀬と鶴子を、


一郎はホームを走って追いかけ 見送ったのでした。


PS.
最初の画像で登場する C57形蒸機1号機は 当ブログ(116.恋にまざめる頃)(170.喜劇 体験旅行)に登場し 本作が当ブログ3度目となった 有名機関車で、一度静態保存された後に 観光列車 山口号を 長年牽引して動態保存され 現在は 京都鉄道博物館で 静態保存されています。
長年新津区に所属して 羽越本線を走っていた間の 1961年2月9日、501レ急行日本海を牽引中に 村上~間島のトンネル出口で発生した 土砂崩れに乗り上げ 脱線転覆となってしまいました。
損傷程度が重く 廃車となる状態だったからか、本線復旧工事を優先したからか 2か月も現場に放置されたそうです。
しかし C57形蒸機の運用需要がひっ迫している・ボイラーを新品交換してから まだ3年だった・そして記念すべき 1号機関車なので、廃車解体予定から 長野工場での5か月に及ぶ 大修理によって 9月28日に復帰したそうです。
一郎は学校へ行く振りをして 越後線の荒浜から 東京へ向かったので、荒浜 7:14 ―(114レ)― 7:29 柏崎 7:34 ―(811レ)― 8:39 長岡 9:22―(702レ急行佐渡)― 14:00 上野が想定されます。(長岡から普通712レでは上野16:04着で作中と合わない)
普段は 羽越本線で走っている C57 1号機が映っているのは 国鉄に荒浜駅での撮影協力を申請した折に、大修理から復帰間もない C57 1号機の登場を依頼されたのでは? とも推察できますね。
鶴子を連れて帰った旅程は、上野 22:00 ―(713レ)― 7:29 新潟 7:38 ―(124レ)― 9:52 荒浜が想定されますね。
越後の漁村で 川本みつよ(新珠三千代)が 女手一つで 中一の息子一郎(謝春国)を育てている中、息子には死んだと聞かせてきた元夫が 金の無心に現れる等 波乱の生活を 一郎の視点から描いた映画です。
みつよは 故郷で(のんき屋)を営み 一郎と暮らしていましたが、漁師の大坪武(田村高廣)から求婚されて 顔なじみの一郎も 賛成の様子です。ところが厄病神の様な 元夫の佐久間詮造(伴淳三郎)が、金の無心に現れ みつよを悩ませます。
一郎の担任である 下瀬先生(津川雅彦)の尽力で 詮造は東京へ帰りますが、一郎は 父親である詮造が不憫に思え 大坪から送金された一万円を 持ち出して家出同然に上京します。
先ず 海沿いの単線区間を走り来る C57形蒸機1号機 牽引列車が映り、

窓側の席に 佐久間が忘れた荷物を抱えた 学生服姿の一郎がいます。

続いて 上野駅中央改札口から出て来た 一郎の姿が見え、

手紙の住所を頼りに 父親の家に辿り着き 荷物と一万円を渡します。
ところが 佐久間は大喜びすると その金の半分を 飲み屋の借金返済に使い、更に安い焼酎ではなく 清酒をがぶ飲みする始末です。
更に 泥酔状態で かつて自身が店主だった 浅草の草履問屋へ 一郎を連れて行くと、今では 新しい主人の元で 番頭として働く男(犬塚弘)に 絡んで困らせる等 醜態をさらします。
店の前の 江戸通りを 22系統(南千住~新橋)の都電が走り、

頭上には 東武鉄道浅草駅を出発した 伊勢崎線の電車が映っています。

東京の父親の家には 妻 亀子(日高澄子)と、一郎とは腹違いの 妹 鶴子(青柳真美)がいて 驚く一郎です。
鶴子と気が合い 仲良くなった一郎は、その晩 鶴子を内緒で連れて 新潟へ向かう夜汽車に乗ります。

しかし一郎は 自宅の前を通るバスに乗りながら 降りずに、

大坪から譲られた船に 鶴子と乗って 遭難騒ぎを起こしてしまいます。
怒るみつよを 下瀬は宥め 東京の実家の両親に 預けている娘を引き取る ついでと言って、鶴子を東京の家まで 送り届けてくれる事になります。
地元の 越後線 荒浜駅のホームで、一郎と鶴子は 別れを惜しむ様に遊んでいます。

傍らのベンチに座る下瀬に みつよは礼を述べ、鶴子を託しました。

そして 窓から身を乗り出して手を振る 下瀬と鶴子を、


一郎はホームを走って追いかけ 見送ったのでした。


PS.
最初の画像で登場する C57形蒸機1号機は 当ブログ(116.恋にまざめる頃)(170.喜劇 体験旅行)に登場し 本作が当ブログ3度目となった 有名機関車で、一度静態保存された後に 観光列車 山口号を 長年牽引して動態保存され 現在は 京都鉄道博物館で 静態保存されています。
長年新津区に所属して 羽越本線を走っていた間の 1961年2月9日、501レ急行日本海を牽引中に 村上~間島のトンネル出口で発生した 土砂崩れに乗り上げ 脱線転覆となってしまいました。
損傷程度が重く 廃車となる状態だったからか、本線復旧工事を優先したからか 2か月も現場に放置されたそうです。
しかし C57形蒸機の運用需要がひっ迫している・ボイラーを新品交換してから まだ3年だった・そして記念すべき 1号機関車なので、廃車解体予定から 長野工場での5か月に及ぶ 大修理によって 9月28日に復帰したそうです。
一郎は学校へ行く振りをして 越後線の荒浜から 東京へ向かったので、荒浜 7:14 ―(114レ)― 7:29 柏崎 7:34 ―(811レ)― 8:39 長岡 9:22―(702レ急行佐渡)― 14:00 上野が想定されます。(長岡から普通712レでは上野16:04着で作中と合わない)
普段は 羽越本線で走っている C57 1号機が映っているのは 国鉄に荒浜駅での撮影協力を申請した折に、大修理から復帰間もない C57 1号機の登場を依頼されたのでは? とも推察できますね。
鶴子を連れて帰った旅程は、上野 22:00 ―(713レ)― 7:29 新潟 7:38 ―(124レ)― 9:52 荒浜が想定されますね。


