
喫茶ボンヌで働く 津山雪代(芦川いづみ)を 姉の様に慕う高校生 海津英次(和田浩治)が、暴力団 新界組を壊滅させて 雪代と堅気になりたい恋人の五郎(葉山良二)を 応援する青春映画です。
池袋の再開発途上地区らしきで 雪代と話す五郎に 敵愾心を見せた海津は、池袋電車区らしきに架かる跨線橋上で 雪代に組員である五郎と別れる様に話します。
海津の背後では、西隣の東武東上線を 7800・7300系らしき赤い電車が走っています。

雪代から人間性の良い五郎を 何故嫌うのかと反論されて、


海津は東側へ走り 雪代は西側へと去り行きます。
東側から西側を臨むカットでは 三段窓の国鉄73系電車が映り、上を西側へ雪代が歩く跨線橋の 構造がよく分かります。

海津は東端の階段を降りたら 同級生の堀本京子(清水まゆみ)が スポーツカーに乗って待ち伏せしていたので、逃げる様に再度橋上に戻ります。

その後も 海津がこの跨線橋上で、物思いにふけるシーンがあります。戦時中の金属供出らしきで 手摺り中段の鉄パイプを抜かれたままの橋は、全体に経年劣化が進んでいる様子です。

そして 雪代をモノにしたい 新界組々長の新界(富田仲次郎)が、ニセの手紙で手下を使って 雪代を拉致する場面を京子が目撃します。
話を聞いた海津は 空手部員や同級生達と 雪代が監禁されている新界組へ乗り込もうと 気勢を上げる場面は、中央本線快速線・緩行線が走る東中野~中野沿いの道路と思われます。

事件が解決し 神戸へ行って友人が営む会社で 再起を図る五郎に 付いて行く雪代を、京子の発案で 海津達一同は見送ろうと 発車目前の駅へ急ぎます。
連絡地下道から 9番線へ上がると、大阪行のサボを架けた 普通列車らしきが停車しています。

列車前方の窓から 手招きする雪代達の所へ 一同は駆け寄り、お祝いと別れの言葉を交わしているのを

海津は少し離れて見ています。
背後の 11番線から東京駅発の 下り普通列車が出発して行きます。デッキから こちらの様子を見ている男が目立っていますね。

やがて二人が乗る列車が動き出すと、

双方が手を振って 別れを惜しんでいます。

その時になって 漸く手を振る海津です。

列車が去り行くと、海津は一団と離れて 一人Uターンしてその場から離れて行くのでした。

PS.
高校生の海津や京子が 軽乗用車(1968年まで16歳で取得できる軽自動車免許があった)とは思えないオープンスポーツカーを乗り回したり、拳銃を所持する暴力団へ 高校生だけで殴り込みを掛ける等々 破天荒なシナリオですね。
東武鉄道の7300系電車は 戦災による車輛不足対策で 1947年に運輸省から 国鉄63系同様車を割り当てられて導入したもので、国鉄73系同様に改造して 7300系となった電車です。
その後 1959年~1964年に順次 7800系同様の車体に 載せ替える更新改造され、1984年迄、活躍していました。
池袋電車区は 1925年に設置され、作中では多くの 73系国電が眠っていますね。跨線人道橋は 戦前からある様で、老朽化から 20世紀末頃に撤去された様です。
東側の階段下には「職員以外立入禁止」の看板が立ってますが、階段を嫌って潜り込み 近道しようとする者がいた様です。
国電車庫といえば、当ブログでは「165.本日休診」以来の登場でしょうか。車庫の跨線人道橋といえば、年期の入った橋が 三鷹車両センターに現存していますね。
品川駅の 9番線がある第5ホームは 長い間臨時列車用ホームとして存在し、修学旅行用列車や お盆時期の東北方面臨時列車用として 第4ホームと共に使われていました。
関西へ向かう五郎と雪代を 見送る場面は 東京駅では許可が下りず、品川客車区の オハ35客車等を 入換用のDD13形内燃機が 構内を牽いてロケしたと思われます。
13枚目の画像で 海津の背後に入換作業中の DD13形内燃機が、初期の塗装色で映っています。新開発された DD13形内燃機が 1958年から品川機関区へ最初に導入され、翌年には 品川駅構内が無煙化されました。
本作では 先日閉園となった豊島園で ロケがあり、海津がローラースケート場でバイトしたり 池の畔での立回りシーンがあります。
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